運動する効果
■ 運動する効果
運動する効果
運動がもたらすメリットは本当に計り知れません。
健康で長生きしたいのならば、そして自分の望むパフォーマンスを発揮したいと思うなら絶対に運動しなくてはならない行動というのは誰でも知ってる事実。
でも、きっかけや、時間がなく、わかっていながらも自分に言い訳しながら、なかなか運動できない方ばかり・・・
ですから、時間がない人のために、川田 浩志 (著)さんの「世界一効率の良い運動方法」について要約してみました。
世界一効率がいい最高の運動方法HIIT
■ 世界一効率がいい最高の運動方法HIIT
世界一効率がいい最高の運動方法HIIT
自宅で週に2~3回たった4分の運動をするだけでダイエット効果や、筋トレ効果、持久力アップ、そして、血糖値や血圧の改善につながる夢のような運動法があるということです。
その運動方法とはズバリHIITと呼ばれるものです。
これはHigHIITensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)の略で高強度の運動と休憩を短いスパンで交互に行う独特のトレーニングです。
このHIITは現在世界中の医師が注目している運動法なんだとか!?
驚くべきはこのHIIT、短時間でできるメリットがあるだけではなく、有酸素運動と無酸素運動の両方の運動効果が得られる一石二鳥の運動法です。
有酸素運動は脂肪燃焼につながり、ダイエット効果やスタミナアップに効果があると言われ、ウォーキングやジョギングなどの酸素を取り込む運動と同様のものです。
一方で無酸素運動は筋力アップや瞬発力アップに効果があると言われ、筋トレや短距離走などの瞬発的な運動のことです。
一般的に有酸素運動と無酸素運動は別メニューなので、両方バランスよくやるためにはどうしても時間と根気が必要だったのです。
特に有酸素運動は時間がかかるので躊躇していた人も多いと思います。
その点HIITなら有酸素運動と無酸素運動を同時にできて、さらに個別のトレーニングよりも圧倒的に短い時間で済むのです。
そして、HIITの体質改善効果は科学的に証明されています。
HIIT関連の調査研究結果が続々と出ており、それはHIITの効果を裏付けるものになっています。
著者は、常に時間に追われ忙しすぎる現代人にとって最強最短の運動方法であると確信し、これは皆さんに知っていただかなくてはと思い今回の本の出版を決意されたそうです。
人生100年近いという時代、黙っていても長生きできると思っている人はいないでしょう。
いいかげんな食事をして運動習慣もない人が、健康的に100歳まで生きられません。
多くの人が見落としがちな健康寿命は、介護を必要とせず、1人で自律的に日常生活を送ることができる期間のことです。
100年の人生を思う存分楽しみたいならこの健康寿命をいかに伸ばせるかが鍵と言えるでしょう。
健康寿命を延ばす秘訣は基本的には二つしかないと著者は言います。
それはバランスのよい食事を取り適度な運動を習慣づけることです。
医学の世界では、「運動は万能薬」と言われています。
運動には、ダイエット効果がある基礎代謝が向上して太りにくくなり、肥満、心臓病、脳血管疾患、成人型糖尿病、癌などの発症リスクを低下させ、死亡率減少させ、善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールと中性脂肪を減らし、血管年齢が若返り血圧を改善できるメリットがあります。
そして、脳の神経細胞を新しく作り出し、認知症のリスクを低下させ、若さを保つ上で重要な成長ホルモン、テストステロンなどの分泌が維持され、持久力が上がり、疲れにくくなるなど本当にすばらしいことです。
このように運動のメリットを強調すると、ちょっと歳なんで・・・言う人がいますが、運動はいつ始めても遅すぎるということはないんです。
これまで運動習慣のなかった人が高齢になってから運動を始めても死亡率は確実に下がります。
運動を習慣づけることで、体調をベストなコンディションで維持し、疲れにくい体にし、認知能力も高まります。
ひと言でいうと頭が良くなる?
ただ、散々運動のメリットを強調しててきましたが、それでも運動習慣を持っている人はあまり多くないということが調査によって分かっています。
多くの人が分かっているのにできないよという状況なんです。
その理由は、家事や育児を含む「仕事」が忙しくて、時間がないからという理由が42.6%でした。
現代人にとって、忙しさは運動に対する大きな壁でしょう。
そこでHIITの出番というわけです。
運動時間が取れないという方もHIITならば数日に1回、数分で進むんです。
それなら、現在の生活スタイルをあまり変えずに、睡眠時間も維持したまま、運動習慣を生活に組み入れることができるかもしれません。
HIITのやり方
■ HIITのやり方
HIITのやり方
HIITとは高強度の負荷のかかる運動と休憩を短い間隔で繰り返すトレーニングです。
中程度の負荷を長時間持続的に与える運動のジョギングに対し、HIITは高強度の負荷を短時間断続的に与える運動です。
一定時間だけ集中的に高い負荷をかけて一定時間休み、再度、負荷をかけることを、短いピッチで繰り返すというのがHIITの特徴です。
HIITは全身の筋肉に高い負荷をかけ、長い間、行たり、毎日行う必要がありません。
そしてHIITは、全力の七割から八割の負荷をかけるトレーニングでよく(少しキツイ感じだそうです)普通の方は、最大心拍数の七割から八割を目安にしてくださいと著者は言っています。
そしてHIITトレーニングを行う頻度については運動習慣のなかった方は、最初は、週二回で充分です。
徐々に慣れてきたら週に3回から4回に増やしていってください。
もし、週末しか時間が取れないという方も、筋肉の回復や疲労からの回復を考えると土日で連続は、お勧めできませんので、なんとか、習慣として定着するまでは水曜と日曜など、離した日付で規則性を持たせて行ってください。
実際のやり方ですが!?
HIITは20秒の運動→10秒の休憩を8セットで1回を基本とします。
高負荷の運動を20秒行ったら10秒の休憩を取り、次の運動に移るといったことを8回繰り返します。
所要時間は合計で4分で済むんです。
そして、実際にHIITで行う運動については、高速スクワット、高速バーピー、短距離ダッシュ、トレッドミル、エアロバイクなど、いろいろな種類があります。
上記のように、高負荷の運動20秒で行う運動は基本的には何でも良いそうです。
そして、HIITはなるべく多くの筋肉を使うと効果的なので運動メニューは複数の種類を組み合わせるのがおすすめです。
例えば、20秒エアロバイクをする、そして10秒休憩、次は20秒高速スクワット、そして10秒休憩、次は20秒、高速腕立てをするといった感じで、複数の運動メニューを組み合わせるとより効果的だそうです。
HIITのすごいメリット
■ HIITのすごいメリット
HIITのすごいメリット
HIITの驚異的なメリットを知ることで、ぜひ、行動につなげましょう。
短時間で長時間の運動と同じ効果
■ 短時間で長時間の運動と同じ効果
短時間で長時間の運動と同じ効果
1分のHIITは45分の持続的運動と同様の効果が得られるということがカナダで行われた研究によって分かりました。
HIITを行ったグループと持続的運動を行ったグループを比べると1分のHIITは45分の持続的運動と同様の健康増進効果があるということが分かりました。
HIITが重視するのは短時間における運動強度であり、運動の量ではなく運動の密度です。
ただ、やり過ぎるとオーバートレーニングとなり怪我の原因になってしまうので、HIITは長くやればやるほど効果が出る類のものではないと憶えておいてください。せっかく時間効率のメリットも失われてしまいます。
若返りアンチエイジング
■ 若返りアンチエイジング
若返りアンチエイジング
HIITは他の運動と比べても細胞から若返り効果が際立つそうです。
老化したくない方は、是非HIITを行いましょう。
2017年に有名な科学誌に発表された研究で、HIITは他の運動に比べて最大酸素摂取量の増加、ミトコンドリア最大酸素消費量の増加により効果的であるということが分かりました。
さらにHIITは遺伝子情報にまでプラスに働くということが分かっています。
体を構成する全ての細胞に、その人固有の遺伝情報が書かれたDNAが存在します。DNAに特定の情報があるからといって、必ずしもそれが発症するわけではありません。
例えば、遺伝子的に糖尿病になりやすい家系であっても生涯糖尿病にならない人もいます。体内の状態によってDNAも影響うけにくくなるそうです。
例えば肥満になると生活習慣病に関わるような状態になりやすくなります。
そして、驚くべきことにHIITを行うと、ミトコンドリアの機能を高める遺伝子とインシュリンシグナルを強める遺伝子が活性化するようになります。
遺伝子情報は誰もが持っているものですがHIITにより、変えられるということです。
つまり、HIITを行った結果、ミトコンドリアのエネルギー酸性を活発化し血糖値を下げやすくする遺伝子がよりは発現したということです。
ちなみに、運動や食事などで生活習慣を整えると体にわるさをする遺伝子情報が読み取られにくくなるということも長年の研究によって分かっております。
遺伝子情報を消し去ることはできませんが、生活習慣を整えていれば実質的に引っ込められる可能性があるんです。
ダイエット効果
■ ダイエット効果
ダイエット効果
HIITはダイエットにも効果的で、HIITならではの特徴的な痩せ方をするそうです。
HIITの体重減少効果は他の運動と比べて差はないのですが、脂肪の減少効果だけを比較すると他の運動よりもHIITの方が、効果が高いです。
特にお腹周りの脂肪と内臓脂肪を減らすのに効果的だそうです。
なぜかと言うとHIITを続けていると脂肪が減っていくと同時に筋肉もつくからです。
仮にジムに行くと、最初の30分ぐらいは脂肪を燃やすことや基礎代謝のアップを目的にトレットミルで有酸素運動し、その後、筋トレをするといった手間がかかります。
HIITはその両方がたった一つの運動でできてしまうのです。
HIITを続けると体重の変動は少なくても脂肪が筋肉に入れ替わり、2~3ヶ月続ければ体のシルエットが変わります。
仮に体重は同じだとしても体は筋肉質になり引き締まっていきます。
脂肪だけを減らすダイエットと脂肪を減らして筋肉をつけるダイエットではまったく違います。
見た目が良くなるモチベーションもありますが、それよりも筋肉がつくことでリバウンドしにくい体が手に入るのです。
筋肉がつくと基礎代謝が上がります。
そして基礎代謝が上がると栄養分や酸素といった体内に取り込まれた生産資源を無駄にしなくなります。
肥満は体内で使われなかった余剰な栄養分が原因なので、HIITで筋肉をつけることで同じ食事量でも体に脂肪がつきにくくなるわけです。
そして、HIITの脂肪燃焼効果が高い理由は、運動後も脂肪が燃え続けるアフターバーン効果というものがあり、運動を終えた後でも普段より酸素摂取量が増えてエネルギー産生が続く状態になります。
その際、エネルギー源として脂肪が優先的に使われるので、脂肪がつきにくくなります。
このアフターバーン効果は、軽い運動程度では充分に得られませんが、HIITのような運動強度の高い運動を行うと起こります。
例えば、朝にHIITを行えば少なくとも午前中は体がエネルギーを消費しやすい状態で、脂肪燃焼しやすい状態が続くというわけです。
本書では、血糖値を下げて、2型糖尿病に改善効果が見られるとか、血圧が下がるとか、脳細胞が増え情報処理能力が上がり、頭が良くなるなど・・・様々なメリットが解説されています。
HIITに興味を持たれた方は、ぜひ、本書を読んでみてくださいね。