学校給食に有機農産物を!オーガニック給食の素晴らしさ。

学校給食に有機農産物を!オーガニック給食の素晴らしさ。

日本各地で進むオーガニック給食の動きは、地域の環境を考慮した農業への移行を目指しています。地域社会全体で持続可能な食材を生産し、消費し、地域農業をサポートし、持続可能な食生活を奨励するメリットは計り知れません。今回、みどり戦略とオーガニックビレッジのセミナーを参考に記事にしてみました。


オーガニック給食のすばらしさ

オーガニック給食のすばらしさ

オーガニック給食のすばらしさ

オーガニック給食を推進することは、地域農業の活性化に寄与し、持続可能な食文化を育む上で効果的です。また、このような取り組みは、子どもたちの健康向上にも寄与し、学校での教育プログラムを通じて有機農業や食の安全について学ぶことが、将来の意識の高い消費者を育てる基盤となります。

このような取り組みは、予算不足や実施戦略の不足などの課題に直面していますが、政府や地方自治体が積極的に予算を割り当て、政策を改善することでこれらの課題を解決することが可能です。さらに、消費者、農業者、教育機関が連携し、地域全体での支援体制の構築が重要です。

オーガニック給食の成功事例は、地域社会において持続可能な未来を築くための模範となるべきであり、地域主導の活動は食材の供給だけでなく教育的な側面でも大きな価値があります。子どもたちが食材の生産過程を理解することは、健康的な食生活の基盤を築くことにつながります。

みどり戦略とオーガニックビレッジ

みどり戦略とオーガニックビレッジ

みどり戦略とオーガニックビレッジ

日本各地の自治体が推進する「みどり戦略とオーガニックビレッジ」。これは、地域の環境を考慮した農業への移行を目指す取り組みです。この取り組みは、学校給食において有機農産物を使う動きも含まれています。たくさんの自治体がこのアイデアに賛同し、「オーガニックビレッジ宣言都市」として名乗りを上げています。また、新たに37の市町村がこの取り組みに参加しました。

学校給食で地元の有機農産物を使うことは、いくつかの良いことをもたらします。まず、地域の農業をサポートし、持続可能な食生活を奨励します。そして、子どもたちの健康にもプラスの影響を与えることが期待されます。さらに、学校の教育プログラムにおいて、有機農業や食の安全について学ぶことで、将来の消費者としての意識が高まるでしょう。

しかし、この取り組みにはいくつかの課題も浮上しています。予算不足や具体的な実施戦略の不足がその一例です。しかし、政府や地方自治体が積極的に予算を割り当て、有機農業をサポートする政策を改善することで、これらの課題に取り組むことができます。また、消費者、農業者、教育機関が連携し、地域全体で支援体制を構築することも重要です。

例えば、縦割り行政の壁という問題。
学校給食は教育委員会⇒文科省
• 有機野菜は農林課⇒農水省
• 環境は環境課⇒環境省
• 健康は福祉課⇒厚労省
• お金は財務課⇒財務省
学校給食には多様な関係者が複雑に関係しているのです。

オーガニックビレッジは、地域社会全体が持続可能な方法で食材を生産し、消費することを目指す概念です。これは、教育と地域の両方で持続可能性を促進する戦略として、大きな可能性を秘めています。

全国で広がるオーガニック給食の動き

全国で広がるオーガニック給食の動き

全国で広がるオーガニック給食の動き

有機農業と学校給食に有機食材を取り入れる取り組みが全国で熱いうねりとなっています。
2020年9月には、NPO全国有機農業推進協議会が「学校給食を有機にワーキングチーム」を設立しました。このチームは、有機農産物の供給安定化や価格問題の解決、給食施設や流通の改善など、学校給食に有機農産物を導入するための課題に取り組んでいます。

この動きは、市民団体や農業者、教育関係者からの幅広い支持を受けています。2021年11月には、11団体が集まり「オーガニック学校給食フォーラム実行委員会」を立ち上げました。このフォーラムでは、教育と農業の持続可能性に関する知識共有と協力が促進されています。

この動きは、有機農業を支援し、次世代に健康で持続可能な食生活を提供する重要なステップです。学校給食プログラムを通じて有機農産物を導入することは、子どもたちに持続可能な食習慣を教える貴重な機会を提供します。また、地方自治体や政府、関係者が協力することで、有機農産物の市場を拡大し、農業者に経済的に持続可能な選択肢を提供できる可能性があります。

ただし、有機農産物の導入には高いコストがかかることがあります。全国的な支援と補助金の体系が必要です。また、教育施設内での食文化や調理方法の変更には時間と教育が必要です。それでも、このような全国的な取り組みは、より健康的で公正な食品システムに向けた大きな一歩となるため、推進する価値があります。

先進的な地域に、千葉県いすみ市があります。
お米から有機に転換しており、価格保証・契約栽培で安定供給を実現することで慣行農家が有機に転換できる仕組みなのです。

手作り給食でコスト削減という案

手作り給食でコスト削減という案

手作り給食でコスト削減という案

例えば、1個100円の既製品コロッケの場合のコスト比率は 食材費30,人件費30 配送・事務・企業利益40です。
手作りにすると、配送費などの経費が0になり、食材費を倍の価格の有機に変えても60でおつりがきます。
手作りにする事でコストカットが出来て、給食費を上げることなく、有機が導入できる可能性があります。
但し、人手を増やすことになるので、自治体経費は増えてしまいます。つまり、どんな給食をこどもに食べさせたいか、の姿勢がポイントとなるのです。※縦割り行政の壁も参照ください。

このようなアイディアを組織全体で考えていくことが必要です。

日本の農家は世界一頑張っている

◯高温多湿で雑草や病虫害が発生しやすい
◯国が小規模農家を守ろうとしない
◯後継ぎがなく高齢者ががんばっている

日本の栄養士さんと調理師さんはは世界一頑張っている

◯栄養価基準を守って献立作り
◯加工品は少なく、出汁とりから手造り
◯アレルギー対応食では間違いは許されない
◯安上がりの給食を求められ、人員を減らされても、苦労しながら予算内でやりくりしている

問題なのは国の農業政策と農薬の残留基準と子どもの食の安全基準に予防原則を採用しない国の姿勢と言えませんか?
でも、学校給食は自治体の裁量なのです!だから、子どもたちと農業を守れるのは自治体なのです!

各地のオーガニック関連の条例
・今治市の『食と農のまちづくり条例』
・いすみ市の『コウノトリを呼ぶ里山再生』
・佐伯市の『さいきオーガニック憲章
・木更津市の『オーガニックなまちづくり条例』
・亀岡市の『世界に誇れる環境先進都市亀岡』
・佐渡の『人とトキが暮らす島を孫の世代へ』
・綾町の『綾町憲章 自然生態系を生かし育てる町にしよう

オーガニック給食だけにとらわれず、次世代に残す自然環境や健康まで網羅した大きなビジョンを持っていることが大事なのだと思います。

事例紹介

事例紹介

事例紹介

袋井市事例:地場産物活用についての学校・調理場の現場の現状

袋井市事例:地場産物活用についての学校・調理場の現場の現状

袋井市事例:地場産物活用についての学校・調理場の現場の現状

給食センターとしての課題(要望)

1.地元にどんなものがあるかわからない。
2.規格の統一:大きさの統一をしてほしい。虫や泥がついていないもの。
3.納入時間:原則として、前日調理を行わず
⇒当日の朝、納入してほしい・・・!
4.使用量の多さ:例玉葱250kg 人参100kg /日
⇒市内での生産量は確保できるのか?
⇒一度に納入できるのか?
5.価格:地場産物は高いのでは?
6.安全、安心の確保:農薬等の使用状況が分からない


生産者の思い
1.給食センターに納入したいが、どんなものを使うかわからない。
2.大量調理だと、数量が揃うか不安がある
3.天候不順などにより、収穫出来なかった場合は

このように、給食センターと生産者のお互いの不安を解決するための情報交換で、袋井市は、期間を決め、実験的に地場産物を使用した学校給食を提供する試みを行いました。

地場産物の状況理解
・品目、数量、価格 状態など
給食での使用状況理解
・規格、数量、納品方法など

様々な不安があったが、なんとか出来ることがわかった。
どのようにすれば、より良くできるか、考えるようになった。

成功事例

成功事例

成功事例

日本各地で実施されているオーガニック給食の具体的なは、地域の市民団体、教育関係者、そして農業者が協力して行う地域活動を示しています。学校給食における有機農産物の利用や地域農業との連携、環境負荷の低減などが、各地域での課題とその解決策として取り組まれています。

特に重要なのは、学校給食を通じて子どもたちに地元産の新鮮で健康的な食材を提供することの重要性です。有機農法による野菜や果物を給食に取り入れることで、地域の農業を支え、持続可能な食生活を推進する取り組みが行われています。

地域でのオーガニック給食の事例は、地域社会が持続可能な未来を築くための模範となるべき取り組みです。地域主導の活動は、食材の供給だけでなく、教育的な側面でも価値があります。子どもたちが食材の生産過程を理解することは、健康的な食生活を送るための基盤を築くことにつながります。

また、これらの取り組みは地域農業の活性化にも寄与します。有機農産物の需要が増えることで、地元の農家は持続可能な農法への転換を支えることができます。そして、これは地域経済にも良い影響を与えます。

オーガニック給食の成功事例は、持続可能な食文化を育む上で非常に有効な手段です。これらの取り組みを推進することで、健康、環境、教育の各面でポジティブな変化をもたらすことが期待されます。

木更津市の事例紹介

木更津市の事例紹介

木更津市の事例紹介

「食べて笑顔に地産地消給食」

木更津市のオーガニック給食への取り組みは、有機農業のノウハウが少ない中で、有機米を学校給食に導入する試みから始まりました。
実施に向けての準備では、検査方法や配送方法の調整、学校や栄養士との調整、児童生徒への周知などが行われました。
有機米の提供が実現したのは、生産者(JA)、学校給食会、学校、そして木更津市の関係者の協力のおかげです。

具体的な取り組みとして、鎌足・中郷小学校では給食室内に炊飯機を設置し、有機米を炊飯しています。その結果、地産地消が促進され、児童の食に対する関心が高まりました。
有機米の提供に向けては、市が通常の米と有機米の差額費用を負担しました。
さらに、顔の見える地産地消給食で給食米を100%オーガニック化を目指し、近在野菜を提供するなどの取り組みが行われ、地域の方との交流が広がりました。

食育に関するアンケートでは、
・農薬を使用しないで、こんなにおいしいの!?
・環境にもすごく良いし、おいしいので続けてほしい
・いつもとにおいや食感が違う
・農薬を使わずにどのように育てているの?
と、児童の食に対する関心がとても高くなりました。

そして、漁協と連携し「木更津産焼きのり」を製品化しました。
また、将来の食への関心を高めるきっかけになるよう地産地消を学び、家庭科の時間に電子黒板にて視聴したりしています。

〇富来田小学校での取組
特定非営利活動法人「一粒舎」の皆さんとじゃがいもが出来るまでを動画で作成し給食時間や休職前の授業等で視聴しました

〇中郷小学校での取組
有機野菜を給食に、料理人と考案した給食メニューを考案しました

〇鎌足小学校での取組
給食調理時に出た野菜くずを生ごみ処理機で液肥を作りました。
生産音の顔の見える学校給食の一例「地産地消による食育」を行っています。
地元の安心・新鮮な農産物をつくる旬の食材の情報を学校へ伝え、注文日に毎朝学校に届けられます。
学校における栽培、地元生産者との交流など、生産者を講師に体験授業や事業者と栄養士で食育授業を行いました。

〇東清小学校での取組
有機根しょうがと有機ほうれん草を給食に出したり、栄養士が生産者の畑を訪問します。

学校給食は、学校生活を充実する支援のひとつです。

※参考セミナー
木更津市教育委員会 学校給食課清水佐知子様による
オーガック学校給食フォーラムちば ~千葉県を有機の里にするために~

オーガニック学校給食の未来への展望

オーガニック学校給食の未来への展望

オーガニック学校給食の未来への展望

オーガニック学校給食の今後の方向性について、持続可能な食材の利用、給食の教育的役割の強化、地域農業との連携の強化などを考える必要があります。
オーガニック学校給食は、健康的な食材を提供するだけでなく、子どもたちに食の重要性を教え、地域社会とのつながりを深める役割を果たします。そして、将来的には地域のオーガニック農業を支援し、地域全体の持続可能な発展を促進することが期待されています。

オーガニック学校給食の方向性は、持続可能な食文化の普及と深化に向けたビジョンを示しています。持続可能な食材を教育の場で積極的に取り入れることで、若い世代に環境意識と健康意識を高めることができます。地元の農産物を利用することで地域経済に貢献し、農業の課題に実用的な解決策を提供します。

これらの取り組みは、食育だけでなく地域社会全体の持続可能性に貢献します。子どもたちが食事を通じて食材の由来や生産方法を理解することで、環境に配慮した消費者および市民として成長する基盤が築かれます。

私は、オーガニック学校給食の推進が地域農家との連携を深めることで、その効果を最大化できると考えています。地域農家と学校が直接連携し、季節ごとの食材を給食に取り入れることで、子どもたちは食の多様性や季節感を学び、食材の価値を深く理解することができます。また、学校教育プログラムに農業体験を組み込むことも重要です。

オーガニック学校給食の推進は、教育、健康、環境保護の三つの柱を支える強力なツールとなります。この総合的なアプローチが、持続可能な未来への道を拓く鍵となるでしょう。




この記事のライター

千葉県山武市を中心に オーガニック・無農薬で野菜を栽培しながら、無農薬野菜での地域活性化を目出しています。

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