2種類の行動ループを理解する
■ 2種類の行動ループを理解する
2種類の行動ループを理解する
以前、意識のループ構造の図を見ていただいたと思います。
無意識の反応パターンは、好ましいものか、好ましくないものかが判定できます。
この好ましくない無意識の反応パターンを改善することが幸せになるコツと説明しました。
美味しそうなリンゴであれば、手をのばして食べますが、もし、このリンゴが腐っていたら、どうします?
もちろん捨てますよね?
この好ましいものか、好ましくないものかを判定する2つのループは、生存に対し大切な心のパターンです。
例えば、リンゴではなく、対人だった場合を考えてみましょう。
心地よく(快に)思える好きな相手の場合、不快と思える嫌いな相手の場合の2種類のループがあります。
快感情は、引き寄せる行動をとり、不快感情は遠ざける行動をとります。
繰り返しますが、この2つの行動は、生きるために、どちらも有益な行動パターンなのです。
しかし、心理セラピーに訪れる方々は、ほぼ全ての方が、この不快ループに陥り悩んでいます。そこで、この悩みの根源、不幸を生み出す不快ループのパターンについて考えていきたいと思います。
不快パターンとは?
0歳~9歳頃までに作られた生活環境に起因しています。
0歳~9歳頃までに入った心のパターンが、大人になって出てきた時に悩みや苦しみが生まれてきます。
リンゴの話題に戻ります。
赤ちゃんは、リンゴを「映像」としてとらえ「感情」を持ち「思考」し「行動」する。すなわち、リンゴを見て美味しそうだと判断し、手をのばして食べることが出来ません。
※生まれてすぐに自立できない人間は、生物界では稀なケースだと思います。
結果、0歳~9歳頃までの幼少期は、食事したり安全を確保したりするのに誰かのサポートが必要で、誰かに依存しているわけです。
この幼少期を誰かに依存してきた方(全員)が、この不快パターンを持っていると考えてよいと思います。
この不快パターンは、映像、感情、思考、行動ループが、成長するまで自分ではできなく、記憶として蓄積されます。このループは、自分でできるようになるまで、誰かにサポートしてもらっています。
※お腹が減ってもミルクを自分で飲めず飲ませてもらっている。
生きるとは、自分ですることではなく、してもらうところからスタートしています。
無意識に記憶されたプログラムを数年かけて植え付けているため、簡単には消えなくなっています。
これが、大人になってから問題となります。
誰かにサポートしてもらうのは、幼少期だけなのに、大人になっても「誰かにしてもらうプログラムが記憶されている」ので、「誰かにしてもらえないことが無意識に怖い・不安になり、嫌で、辛い」のです。
快パターンと不快パターンは、日常の思考で繰り返されています。
当然、その中で引き寄せたり、遠ざけたりしながら自分に有益な行動をとっているとは思いますが、制御できない事案もあります。
このような日常の事案に対した心の葛藤が無意識の中にあるということを多くの方が気づいていません。
そして、この不快パターンに直面し、大きな悩みや不幸を感じてしまうのです。
してもらうことが生存本能にしみ込んでいるので、してもらえないと「どうやったらしてもらえるか?」という発想になってしまいます。
「してもらうためには、何をしてあげたらよいのだろう?」と本来とは真逆になってしまう。
自分をうめるには、自分でやるしかないのに、無意識は、自分をうめるには人にしてもらうとなってしまい、
愛してもらう、認めてもらう、許してもらう、感謝してもらう・・・そのようなことが必要と思っているため、常にそれを得るために何をしたらよいかと逆の発想になってしまい苦しむのです。
既に、お気づきだと思いますが、大人になってからは、原理として有り得ないのです。
つまり、大人になって不快プログラムを続けていると絶対に幸せにならない、つまり無限の不足感を抱えることになります。
常に何かを探し続けなければならない、どこかに何か私をうめてくれるものはないか?
愛してくれる人が居ないか? 傷つけないでいてくれる人はいないか?
それを外側に求めていくようになります。
しかし、絶対に外側にはないのです。
自分の中に不快プログラムが記憶されていることを認識すること
気づいたら、不快プログラムを快プログラムに変換していくこと
が重要です。
例えば、対人関係で嫌な人がいても、相手(対人)に期待したり、相手を変えようとしても出来ません。
それを受け入れて、不快プログラムを快プログラムに変えていくことをしていきましょう。
その結果、幸せな人生を過ごすことができるようになります。
目には見えない心の動きを可視化すると、無意識の反応パターンの発見が容易になり、高度なセラピーを可能にします。