自然薯(じねんじょ)は、日本原産の野生種で、自然に生えて自生している貴重な物です。
一般に市販されている長芋、山芋、大和芋、つくね芋は栽培種で、自然薯は「自然薯」という風に分けられています。
自然薯堀り
■ 自然薯堀り
自然薯堀り
自然薯は、地面に潜っているので、見つけるには右巻きに伸びた”つる”とハート型の葉を手掛かりに発見するしかありませんが、成長も遅いし、旬の時期には葉が枯れ落ちてしまうので、普通の人は、見つけることが困難でしょう。
このため入手が困難で貴重で高額な食べ物になっているんですね。
さて、葉(つる)を発見したら、どのように掘るかって?
そう、最初は、2mも下に地面を掘る方法がわからず、穴に体も入れないと深く掘れないと思い、直径1.5mもの穴を掘りって、まる1日、穴掘りしていました。
師匠(近所のおじいちゃん)に「でかい自然薯を見つけたか!?」と大笑いされていました。
さて、正解は、直径40cm程度の穴を自然薯と平行にしながら垂直に掘り、自然薯の下まで掘った後、自然薯の周りの土をそぎ落として、引き上げるという技でした。
そんな自然薯は、すごく滋養強壮効果があると言われています。
「山にあるのにウナギ!?」
■ 「山にあるのにウナギ!?」
「山にあるのにウナギ!?」
「最近なんだか疲れが取れない…」
そんなあなた、高い栄養ドリンクを買う前に、ちょっとスーパーの野菜売り場に行きませんか?
そこには、野菜の顔をした怪物「自然薯(じねんじょ)」が潜んでいるからです。
ただの芋だと思ったら大間違い。その知られざる「4つの伝説」をご紹介します!
1. 陸に住んでるのに「ウナギ」扱い!?
自然薯の別名は、なんと「山のうなぎ」。
見た目は泥だらけの木の根っこみたいなのに、中身はあのスタミナ王・うなぎと張り合うほどの栄養価を持っているんです。
特に凄いのが、消化酵素の「ジアスターゼ」。なんと大根の3倍も含まれています。
「最近胃もたれが…」というお父さんの胃袋も、強力にサポートして完全復活させてくれる。まさに食べる栄養ドリンクなんです。
2. 実は「芋界のパイオニア」だった
スーパーには長芋や大和芋も並んでいますが、実は日本原産の野生種は「自然薯」だけって知っていましたか?
他の芋たちが中国などから船に乗ってやってくるずっと前から、自然薯はこの日本列島に生えていました。
なんと縄文時代から食べられていたそうです。
マンモスを追いかけていたご先祖様たちも、きっと「これ食うと力が湧いてくるぞ…!」と粘っていたに違いありません。
3. 粘り気が「物理法則」を無視するレベル
普通の長芋をすりおろすと「トロトロ〜」って感じですよね。
でも自然薯は違います。「ドゥルンッッ!!」です。
粘りの強さは長芋の2倍以上。
すり鉢ですりおろした自然薯を箸で持ち上げると、切れることなく全部持ち上がっちゃうほどの粘着力!
この強力なネバネバ成分(ムチン)が、胃の壁をガードして、「栄養、逃さないぞ!」と体を守ってくれるんです。
4. 寒くなると「本気」を出す
自然薯が一番美味しくなるのは、晩秋から冬にかけて。
霜が降りて、地上の葉っぱが枯れる頃、「よっしゃ、栄養を全部地下(芋)に隠せ!」と全精力を根っこに集中させるからです。
つまり、冬の自然薯は旨味と栄養の塊(かたまり)。
寒い季節に風邪を引かないよう、自然が用意してくれた最高のプレゼントというわけですね。
縄文時代から続く、日本生まれの「山のうなぎ」。
今年の冬は、この最強のネバネバパワーで寒さを吹き飛ばしてみてはいかがでしょうか?
補足ですが、自然薯のヌルヌルも体に良いと言われる所以は、たんぱく質を無駄なく活用させ、新陳代謝や細胞の増殖機能を促進させ、常食すると、基本体力を増強し、虚弱体質・呼吸器障害・ノイローゼ等に効果があると言われているからです。
「山薬」「じょよ」「唐薬」などと呼ばれ、漢方薬として強壮・滋養剤に使われています。
そして、生殖機能を高めるアルギニンを豊富に含有すると共に、アミラーゼ・ウレアーゼ・オキシターゼ・グリコシターゼ・タカラーゼ・ポリフェラーゼ等、多彩な酵素が生態の生合成力を高めて精力、スタミナの増強に効果を発揮すると言われています。
最近になって自然薯だけに含まれる「ディオスゲニン」という物質が、若さの維持やホルモンバランスに関係しているDHEAを増やす役割があるということも分かってきました。
こんな自然薯を、購入して食べるのは簡単ですが、ぜひ、一生に1度は、ご自身で自然薯堀りを体験してみてください。
毎年12月頃「旬菜里」で「自然薯」堀り体験をしています。