ハリラヤ・プアサとは?
■ ハリラヤ・プアサとは?
ハリラヤ・プアサとは?
ハリラヤ・プアサは、日本でいうところの、お正月。と、言われることが多いですが、実は暦上のお正月は、ハリラヤの3ヶ月後。
少しややこしいのですが、1年で一番おめでたい日というのはハリラヤ・プアサだそうで、そういう意味ではお正月という認識でもいいのかもしれません。盆と正月が一緒に来たような、おめでたい日らしいです。
1ヶ月のラマダン月を終えた翌日から2日間くらいがハリラヤ・プアサの祝日になります。
2023年は4月22ー24日まで。土日に当たったため、振替休日がありました。
公のお休みは、2〜3日ですが、この時に有給を使って1週間くらいお休みする人も多く、またお祭りのムードは1ヶ月ほど続くそうです。
「あけましておめでとうございます」にあたる挨拶もあります。
Selamat Hari Raya(スラマッ・ハリラヤ)というのが「ハリラヤおめでとう」という言葉。マレー人の間ではこの言葉が頻繁に交わされるそうです。
ハリラヤ・プアサの街の様子は?
■ ハリラヤ・プアサの街の様子は?
ハリラヤ・プアサの街の様子は?
街中は、ラマダン月から、ハリラヤに向けての装飾が始まります。
ハリラヤ・プアサのメインカラーは緑と黄色。緑はイスラム教において、神聖な色とされているようです。
ちなみに、中国のお祭りチャイニーズニューイヤーのテーマカラーは赤!インド・ヒンドゥー教のディパバリのカラーは金?なので、ハリラヤの装飾は少し地味に見えます。写真映えはしないですが、実際には華やかですよ。
ハリラヤの装飾に欠かせないもののひとつが、KETUPAT(クトゥ・パット)。
こちらは、ハリラヤで食べる定番のお料理で、餅米を椰子の葉を編み込んで包んで蒸したもの。
そちらを模して、緑と黄色で作ったものを飾るのが定番です。
ハリラヤ・プアサには何をするの?
■ ハリラヤ・プアサには何をするの?
ハリラヤ・プアサには何をするの?
ハリラヤ・プアサに特別にすることがいくつもあります。
まずは、ハリラヤを迎える前には大掃除。これは日本と一緒ですね。
そして、ハリラヤ・プアサを迎えると、新調した服をきて、家族・親戚・友人たちと集まります。
普段は、ジーンズやTシャツなどのカジュアルな洋服を着ている人も多い、イスラム教の方々ですが、やはり新年は民族衣装に身を包むようです。
男性用の衣装は、ゆったりとしたスタンドカラーのシャツと、パンツ。バジュ・ムラユ(Baju Melayu)。女性用の衣装は、丈の長い長袖の上着とくるぶしまで隠れるロングスカートの組み合わせ。バジュ・クルン(Baju Kurung)。そして女性は髪をすっぽり隠すヒジャブも必須です。
これらの民族衣装は普段着で着ることもあるので、コットン・ナイロン・シルクなどいろいろな素材のものがあります。
デザイン、カラーもも豊富ですが、女性用のバジュ・クルンは比較的明るい色彩や華やかな花柄のものなどが多い気がします。
ハリラヤ・プアサには、家族で色を揃えたり、お揃いにすることも多いようですよ。
この日、お仕事をしている人は、いつもの制服ではなく、この民族衣装の晴れ着で出勤することもあるようです。
ハリラヤ・プアサの朝は、まずお祈りからはじまります。
ラマダンとは、断食だけでなく、断欲の期間。自分の中の悪いところを反省したり、相手を許す気持ちをもち、あらゆる争いごとをしない時期。
そのラマダンが明けた、ハリラヤ・プアサには、家族・親族・友人らと握手をしながら、過去一年のことをお互いに謝り、許しあうという、謝りあいという儀式をするそうです。この挨拶をみんなとするのに、1ヶ月かける人もいるようですよ。
それから、子供たちやお仕事を終えられたご両親などに、お年玉であるDuit Raya(ドゥイ・ラヤ)を渡したり、お墓参り、ハリラヤならではのご馳走を食べる、など。
本当に日本のお正月に似ていますよね。日本のみならず、マレーシアで体験する、チャイニーズニューイヤーやディパバリでも似たような過ごし方をするので、意外と万国共通なのかもしれませんね。
家族や親戚に会うのに、故郷に帰省する人も多いようで、道路は大渋滞。
ハリラヤには、家から出るな、と聞きました 笑
街では、ほぼ毎日、花火の音が聞こえますが、住んでいる地域のせいか、チャイニーズニューイヤーやディパバリに比べると、だいぶ数が少なく感じます。
ハリラヤ・プアサのご馳走とは?
■ ハリラヤ・プアサのご馳走とは?
ハリラヤ・プアサのご馳走とは?
ハリラヤ・プアサの定番のご馳走は、まず前述したKETUPAT(クトゥ・パット)。
これは餅米を椰子の葉を編み込んで包んで蒸したもので、通常家庭で手作りするそうです。
味付けはせず、お米の味のみで、ほかのお料理と一緒にいただくようです。
スーパーでも、クトゥ・パットに使う餅米がたくさん売られていました。
そして、Rendang(ルンダン)という、牛肉や鶏肉の煮込み料理も定番だそう。
スパイスやココナッツミルクを使っている煮込み料理で、ビーフシチューのような、カレーのようなものです。ルンダンは、普段から、ナシレマに添えてあったりして、食べることもできます。
ちなみに、日本でもルンダンはレトルトになって売られているようですね。わかりやすく、マレーシアカレーと書いてあるようですが、カレーとシチューの間のようなものです。もちろんご飯にもよく合います。
デザートはクイラヤと呼ばれ、カラフルなクエや、クッキーなどの焼き菓子、つまんで食べられるお菓子がたくさん振る舞われるようです。確かに、スーパーでもクッキーやパイ、チョコレートなど一口サイズのお菓子がぎっちり詰まった箱入りのものが、山積みで売られていました。
もともと、食べることが大好きなマレー人。
1ヶ月の断食明けには、家族や友人と、たくさんの食べ物を頂きながら交流する時間は、とても楽しい時間なんでしょうね。
2022年4月より、マレーシアに移住。食のプロが、マレーシアの食文化を中心に、リアルなマレーシアの魅力を御紹介していきます。