うれしいひなまつり
■ うれしいひなまつり
うれしいひなまつり
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日はたのしい ひなまつり
おだいり様と おひな様
二人ならんで すまし顔
お嫁にいらした ねえ様に
よく似た官女の 白い顔
金のびょうぶに うつる灯を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒 めされたか
あかいお顔の 右大臣
着物をきかえて 帯しめて
今日はわたしも はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひなまつり
ひな人形を飾りつけ、ひな人形の前で、お菓子を食べたり、遊びながら楽しむ子供たちの様子がよく描かれている歌ですね。
女の子たちが元気に育ち、幸せな成長を願う歌とされています。
ひな人形(雛人形)
■ ひな人形(雛人形)
ひな人形(雛人形)
さて、ひな段には、おだいり様と おひな様だけでなく、官女や随身など数多くの ひな人形 が並んでいますよね?
見慣れない道具もたくさん揃って華やかですね。
まずは、並べ方ってわかりますか?
例えば、関東と関西では、おだいり雛の置き方が逆になることが多いそうです。
関東では、向かって左側が男雛で右側が女雛で、京都や関西の一部では、向かって右側が男雛で左側が女雛なんだとか!?
※女雛を「お雛様」と呼ぶのは「うれしいひなまつり」の歌が元となった間違いで、一対で「内裏雛」というんですって。
そして、置き方が逆になる要因は、内裏雛の「帝」と「妃」の位置が昔と今では変わっているからだそうです。
ひな祭りの由来
■ ひな祭りの由来
ひな祭りの由来
ひな祭りは、平安時代に、紙人形を作って川に流し、汚れのお祓い行事からきているといわれています。
現在のように人形を飾るようになったのは、江戸時代の徳川幕府が「五節句」を祝日として制定。もともと男女関係なく邪気を払う季節の節目の行事で、そのなかのひとつ3月3日にあたる「上巳の節句」が女の子の日となったそうです。
そして、穢れを洗い流すという意味もあり、白酒が飲まれるようになりました。
白酒には、伝説があり、昔、大蛇をお腹に宿してしまった女性が、3月3日に白酒を飲んだとたん、胎内の大蛇を流産させることができたという言い伝えから、胎内に悪い子が宿らないようにと、厄除け、そして厄払いの意味を込めて白酒を飲むことになったといいます。
なぜ、白酒を飲む?
■ なぜ、白酒を飲む?
なぜ、白酒を飲む?
白酒は温かくして飲むと、邪気を払い、幸運をもたらすと信じられている。
アルコール度数は低いが、米を発酵させて作られたお酒で「白」の色が清らかであることから、女の子の純潔を象徴する色とされ、女の子が元気に育つように願いを込めて飲まれることもあるそうです。
中国では、春に咲く桃の花を大事に愛でていました。
その思想が日本に伝わると、桃の節句には「桃の花をお酒に浮かべて飲むことで、健康になる」と考えられるようになり、ひな祭りには桃の花を浸した「桃花酒」が欠かせないものとなり、桃色をきれいに引き立てる、色の白い「白酒」が使われるようになったとの説もあります。
「白酒」とは、みりんや焼酎などに、蒸したもち米や米麹を入れ、約1ヶ月熟成させたものを、軽くすりつぶして造ったお酒です。
色味や質感の似ている「甘酒」は、ご飯やおかゆに米麹を混ぜて保温し、米のデンプンを糖化させたもので、米麹から造る甘酒には、アルコールがほとんど含まれていないので、「白酒」と「甘酒」の違いは明確です。
ただし、ひな祭りに、白酒を飲んでいる人は、私の人生の中では出会ってません。
三人官女
■ 三人官女
三人官女
ひな人形では「白酒」を注ぐ役目を持つ「三人官女」が居ます。
日本の祭事や儀式において、お酒は神や高貴な存在に捧げる飲み物とされ、欠かせないものでした。
そんな「白酒」をお内裏様に注ぐ重大な責務を担っています。
特に、「三人官女」の真ん中が、一番の先輩にあたるそうで、眉そり、お歯黒、既婚女性、もしくは年長の女性という設定だそうです。
よく見ると、なるほど・・・銚子、三方にのった盃、提子などを持っていますね。
流れとしては、提子に入った「白酒」を銚子に入れ、盃に注ぐのだそうです。
ちらし寿司
■ ちらし寿司
ちらし寿司
ちらし寿司は、ひな祭りによく食べられる料理です。
酢飯の上に、色とりどりの魚や野菜などの具をのせたもので、色鮮やかな寿司は、ひな祭りの華やかさを表現しています。
色とりどりの具材が散りばめられたちらし寿司が、女の子の健やかな成長と幸せを願う「五色」にあたるのだそうです。
五色の色は、それぞれ悪疫退散、厄除け、健康長寿、美貌、幸福を意味しています。
そのため、ちらし寿司にも、五色の具材を使って、願いを込めるわけです。
例えば、エビ、れんこん、しいたけ、豆、錦糸卵などが美しく映えますよね!?
そして、このような、縁起がよいとされる食材がちらし寿司の具に使われているそうです。
へーでした。
エビは「腰が曲がるまで長生きできるように」
れんこんは「見通しがよく、災難に見舞われないように」
豆は「まめで健康に生きられるように」
しいたけは「元気で頑丈な体になりますように」
との願いが込められています。
よく考えると、お正月のお節もそうですね。
また、寿司は「寿(ことぶき)を司る(つかさどる)」という字のごとく、縁起がよく、お祝いの席で食べるものとしてうってつけなようです。
補足ですが、ひな祭りのお菓子では、「ひなあられ」や「ひし餅」が代表的です。
ひなまつりのお菓子には、緑・白・赤の3色が多く使われますが、これは「緑=健康や長寿」、「白=清潔」、「赤=厄除け」といった意味があります。
現在は、桜餅やケーキなどを食べることが多いので、今度、和菓子屋さん、ケーキ屋さんで、このようなことを意識して選ぶのも楽しんでみてください。
おり紙
■ おり紙
おり紙
折り紙も、よく見かけます。
冒頭でご紹介した通り、平安時代に、紙人形を作って川に流した風習から、色とりどりの紙を鶴や花、動物などさまざまな形に折り、魔除けや縁起担ぎにしてきました。
吊るし雛
■ 吊るし雛
吊るし雛
また、桃、羽子板、ハマグリ、鶴、亀、ウサギ、戌、でんでん太鼓など、動物や遊び道具などの縁起物を布で作り、糸でつないで吊るす「吊るし雛」は、「衣食住に困らないように」との願いを込めて飾られるので、対象は、それぞれに異なる意味や云われがあります。
また、各地でも違いがあり、静岡県では「雛のつるし飾り」、福岡県では「さげもん」、山形県では「傘福」と呼ばれています。
八鶴館は、情緒あふれる部屋から八鶴湖が見えます。静かで落ち着く場所です。
私の行った時は誰も居なかったので、ひな人形に囲まれて、古き時代の妄想にふけっていました。
みなさんも、ぜひ、一度、立ち寄ってみてはいかがでしょう?