人によって食事法は違う
■ 人によって食事法は違う
人によって食事法は違う
人それぞれの顔や性格が違うように、体によい食事方も人によって違います。
本書(9割の病気がよくなる ロジカル食事術)では、現時点で分かっていることから、科学的に正しい世界標準の食べ方を紹介しています。
まず、自分なりの食事方法を見つけるにあたって、まずは大原則として世界標準を知っておいてください。
その情報から個人に合わせて調整すれば、効率よくよい食事法を発見できるでしょう。
地中海沿岸地域の食習慣
■ 地中海沿岸地域の食習慣
地中海沿岸地域の食習慣
地中海沿岸地域で習慣とされている食事法は、1960年代にアメリカの生理学者アンセル・キーズらによって定義された「効用」として、心筋梗塞や脳卒中などの心血管リスクや認知症のリストを下げ、ダイエットにも効果があることがわかっています。
地中海食の主な特徴は、多様な野菜のほか、果物、豆、ナッツを豊富に含み、脂肪分はオリーブオイルなどの良質なものから摂取し、タンパク質は、魚介類を中心に摂取し、卵や肉類は控えるようになっています。
鶏肉も含めて控えますが、特に牛肉や豚肉は、少量にして、チーズやヨーグルトを摂取する。
未精製の全粒穀物をとるなど。
ハーバード大学式
■ ハーバード大学式
ハーバード大学式
ハーバード大学式では健康的な一皿というものを提唱しています
これは食品の割合を1皿の料理になぞられて表現したものです
・食事の1/2は野菜と果物
・1/4は全粒穀物
・1/4は魚、鶏肉、豆、ナッツ類などの良質なたんぱく質
赤身肉や加工肉は控え、オリーブオイルなど健康的な植物油を使い、牛乳、乳製品、砂糖の入ったジュースを控え、水や紅茶、コーヒーなどを推奨しています。
著者が経営するクリニックでは?
■ 著者が経営するクリニックでは?
著者が経営するクリニックでは?
地中海食では控える卵や鶏肉も、ハーバード式では、どちらもたんぱく質源として勧められています。
逆に地中海食式でとる乳製品は、ハーバード大学式では避けていますね!?
そのような違いがあると、どちらがよいの?と迷う人がいるかもしれませんが、決める必要はなく、いいとこ取りをすればよいのです。
著者が経営するクリニックには地中海食を基盤に、ハーバード大学式のよいところを取り入れ、最新の研究もヒントにして食事方を提案しています。
また、地中海食とハーバード大学式で触れていない、海藻類とキノコ類を追加しています
たんぱく質について、牛肉、豚肉は控えめにしていますが、鶏肉や卵は制限していません。
脂肪についてはMCTオイルやアマニ油、エゴマ油、シソ油、魚油を推奨し、糖質を控えることを勧めています。
特に、玄米などの全粒粉での糖質自体を控える必要性には言及していません。
ただ、最新の研究では、糖質を控えることは健康のために重要なポイントとなっています。
体内でタンパク質と余分な糖が結びついて変性すると老化や病気を促す物質が生じることが分かってきたからです。また、糖質を控えると癌の治癒率が高まることが、経験的に分かってきました。
さらに、果物を取り過ぎないように勧めています。果物をたくさん食べると糖質の一種である果糖を多くとってしまうからという理由で、特に最近の日本の果物は糖度が高いので余計に糖質過剰につながりやすいようです。
ハーバード大学式では野菜のために果物を推奨していますが、アメリカの果物は日本ほど糖度が高くないので、その辺も関係しているのかもしれません
その他、方針が分かれるのが乳製品で、近年では世界的に牛乳や乳製品がNGとされています
そのことからクリニックでも牛乳や乳製品は基本的には取らないことを推奨しています
9割の病気がよくなる ロジカル食事術
■ 9割の病気がよくなる ロジカル食事術
9割の病気がよくなる ロジカル食事術
・糖質を抑える
・牛乳、乳製品は控える
・野菜を多くとる
・果物は控えめにする
・ナッツ、キノコ、海藻は多くとる
・食物繊維を多くとる
・タンパク質は適度にとる
・体にいい脂肪をえらんで適度にとる
・塩分は8mg以下
この食事法は現時点ではいいとこ取りの世界標準の食事と言っていいでしょう。
ただ、この通り行うというより、これをベースに自分が続けやすく、かつ体調が良くなっていく食事方を見つけることが、最も重要なことだと思います。
体重や体調などの変化を意識して観察しつつ色々と試してみましょう
食の正解は一つではない
■ 食の正解は一つではない
食の正解は一つではない
いくつかの食事方を紹介しましたが、ある食品がよい、悪いと決め付けるのではなく、現時点での正しい情報を踏まえて、自分は、各食品をこんな風に取り入れてみようといった柔軟なスタンスを持つことです。
実際には100%いい食品もなければ100%悪い食品もありません。全ての食品にはいい面も悪い面も存在しています。ですからそれを踏まえて自分がどう活用するかを考えてみてください。
食の正解は一つではなく、10人いれば10通りの正解があります
既成概念に問われることなく、ある程度の科学的知見を知った上で、自分自身が判断していってください。
玄米は体によい?
■ 玄米は体によい?
玄米は体によい?
米が持つ糖質以外の要素は胚芽や種皮の部分にあります。
これらを糠(ぬか)といい、精米して糠を取り除いたのが白米です。
米からもみ殻を除いたものが玄米です。
白米に比べると玄米は、ビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質が含まれている体にいい食品として玄米を食べている人も多いでしょう。
確かに糖質だけしか取れない白米に比べると玄米は栄養豊富にありいい食品と言えます。
ただ、玄米なら遠慮なく食べていいと言うとそうとも言えません。
現在の日本人の平均的な食生活ではかなり糖質を取り過ぎて、それが不調や病気のもとになっているケースが非常に多いんです。
なので、玄米が体によいといって多く食べたら意味がないのです。
現在の平均的な日本人の食生活からすると白米を半分程度にして健康維持や病気対策をして行った方が無難だと考えます。
玄米は、白米をとるよりはマシという程度に捉えて、糖質全体を取りすぎないようにしましょう。
蜂蜜は体にいい、白砂糖は体に悪い?
■ 蜂蜜は体にいい、白砂糖は体に悪い?
蜂蜜は体にいい、白砂糖は体に悪い?
黒砂糖や蜂蜜は、体にいいと捉えている人も多いかもしれません
これも前項の玄米と同じで、白砂糖にくらべ、黒砂糖や蜂蜜は、カリウム、カルシウムだけのミネラルなども含むので、その意味では白砂糖よりも、いい食品と言ってよいでしょうが、蜂蜜や黒砂糖の大部分が、糖質であることをお忘れなく!
鉄分は体にいい?
■ 鉄分は体にいい?
鉄分は体にいい?
不足を気にしたいミネラルとして、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄が、日本ではあげられることがよくあります
そこで、様々なミネラルのドリンクやサプリメントに鉄が入っていることが多いのですが、実は鉄の摂取には注意が必要なんです
不足している人が鉄をとるのはいいのですが、そうでない人がサプリなどで鉄をとった場合、体内で強く酸化が促されてしまいます。
酸化によって生まれる活性酸素は、動脈硬化やがんなどを促進することは、多くの人が知る事実です。
過剰な鉄は体にとって強力な酸化剤であり、それが有害な活性酸素を発生させるのです
このため鉄は食品で補うには過剰摂取の心配はありませんが、サプリメントでとるのはやめましょう。
補足:9割の病気をよくするセルフケアの方法
■ 補足:9割の病気をよくするセルフケアの方法
補足:9割の病気をよくするセルフケアの方法
病気の改善や健康維持のために自分自身で行う食事や生活改善、その他セルフケアをセルフ治療と呼んでいます
一方病院が行う投薬を始めとした治療は、多くの場合一時的な緊急措置や時間稼ぎという位置づけになります
病院で行うほとんどの治療は原因ではなく、今ある症状を薬などで改善する対処療法に過ぎないのです。
それに対し原因そのものに働きかける根本療法になるものが自ら行うセルフ治療です。
多くの方が勘違いしていることですが、セルフ治療がメインで、病院はその補助でしかないのです。
ずっと病院で出される薬を飲んでいるのに良くならないというのは当然とも言えますね。
一時しのぎの薬を飲むだけで病気を治そうとしていることに無理があるんです
軽い風邪などでは薬を飲んでいる間に自分の免疫の力でウイルスがなくなって治りますが、生活習慣病を始めとする慢性病ではなかなかそうはいきません。
セルフ治療で、悪化原因を除き、自分の免疫力を上げ、体調を整えて本来の改善があるのです。
まずは、セルフ治療がメインということを理解してください。
1. 良質な睡眠
人それぞれ違いもあると思いますが、7時間睡眠、日中日光をあびる、散歩など を心がけましょう。
2. 入浴で血行・代謝を促進
入浴で温熱効果や水圧によって血行やリンパの流れが促され代謝が促進されます。
リラックス効果や気持ちをリフレッシュする効果も得られます。
3. 姿勢を意識する
姿勢を維持して普段どんな姿勢で過ごすかということは健康にとってとても大切です。
現代を生きる私達は、遠くを見る時間より近くを見て仕事や家事をしている時間が圧倒的に多いので、姿勢が悪くなりがちで、首のこりや緊張により交感神経が優位になり自己治癒力が下がります。
それが癖になると呼吸が浅く、血行が妨げられ、知らず知らずのうちに気分も暗く後ろ向きになりがちです。
ですから、気がついたら、いつも背筋を伸ばす癖をつけてください。いい姿勢を保ちましょう!
4. 自律神経を整えるための呼吸法
現代人の多くは呼吸が浅くなっています。
意識して深い腹式呼吸をし、自律神経のバランスを整えてください。
自律神経は意思とは無関係に働きますが、ゆったりとした呼吸を繰り返すことで副交感神経の働きを高めます。心身がリラックスできて気持ちが落ち着き自己治癒力のアップに繋がります。
1日に30回ぐらいの腹式呼吸を行ってみましょう。
・背筋をまっすぐにして口を軽く開け、ゆっくりと長く、10秒から15秒かけて息を吐き切る
・鼻から息を吸い、意識しておなかを膨らませる。
全身の血液循環が良くなり、自律神経のバランスが改善され自己治癒力を高めます。
5. ふくらはぎマッサージ
私たちの体では心臓というポンプから押し出された血液が全身をまわって酸素や栄養素を届けています。
弾力性に富む動脈が収縮と弛緩を繰り返し血液が先へ先へと進みます。
しかし、組織から心臓に返す静脈は、逆流防止の弁はありますが、それほど弾力性はありません。
その部分を補うのに一番いいのが、ふくらはぎです。ふくらはぎは、重力で血液がたまりやすいので、そのふくらはぎをマッサージすれば、心臓への血液の戻りを促して全身の血流をよくすることができます。
6. 爪揉み
爪揉みは、手のそれぞれの指の爪の生え際あたりを逆の手の親指と人差し指で左右から挟んで、やや強く力を入れて押し揉みします。
これにより自律神経のバランスとリズムを整えて免疫力を高めることが出来ます。
自律神経は、体の内外からの刺激に自動的に反応し、循環、消化、代謝、体温調節、生殖などの生体機能をコントロールしています。
冒頭にも書きましたが、人によって食事方や生活習慣が違います。
はやめにご自身の食事方と生活習慣の整理をして健康を維持しましょう。
もっと詳しく知りたい方は、「9割の病気がよくなる ロジカル食事術」を読んでみてください。