今回は、健康寿命を延ばすための食事のポイントを、お届けしたい。
基本方針は「偏らず、続けられる形で」
■ 基本方針は「偏らず、続けられる形で」
基本方針は「偏らず、続けられる形で」
健康寿命を延ばす食事の極意は、実に地味である。
「偏らず、続けられる形で、必要な栄養をきちんと満たすこと」
……地味だ。地味すぎて、テレビの健康番組なら3秒でCMに行くレベルの地味さである。
しかし、ここに真理がある。
例えば、近所の田中さん(58歳・仮名)。テレビで「トマトが体にいい」と聞けばトマトを箱買いし、「サバ缶が血液サラサラ」と聞けばスーパーのサバ缶コーナーを焼け野原にする。ブロッコリースプラウトが、肝機能のサポート、血糖値の上昇抑制、アンチエイジング、免疫力向上など、毎日の健康維持に役立つさまざまな効果が期待されると知ると、自分で栽培を始める男だった。しかし3週間後、彼の食卓からトマトもサバ缶も、栽培キットも消えている。理由を聞けば一言、
「飽きた」
そう、特定の健康食品に頼る作戦は、人類の「飽きる」という本能に必ず敗北するのだ。だからこそ、バランスのよい食事を「無理なく」続けることが最強なのである。
50歳からの食事・五箇条
■ 50歳からの食事・五箇条
50歳からの食事・五箇条
一、たんぱく質をしっかりとる
筋肉は裏切らない、とよく言うが、正確には「たんぱく質をくれないと筋肉は静かに去っていく」である。
50歳を過ぎて「最近、ペットボトルのフタが固くなった気がする」と感じたあなた。フタは固くなっていない。あなたの握力が円安のごとく下落しているのだ。毎食、手のひら1枚分のたんぱく質。これが筋肉への「引き止め交渉」である。
二、野菜・海藻・豆類を増やす
食物繊維、ビタミン、ミネラルの宝庫。腸内環境が整えば、お通じも気分も整う。
ちなみに佐藤さん(62歳・仮名)は、奥さんに「野菜を食べて」と言われ、「カレーのじゃがいもで足りてる」と豪語した結果、その夜から食卓のカレーからじゃがいもが消滅したという。野菜は両手1杯分。じゃがいも単騎では戦えない。
三、食べすぎない
若い頃の「大盛り無料」は福音だった。50歳からの「大盛り無料」は悪魔のささやきである。
腹八分目。昔の人はいいことを言った。問題は、我々の「八分目」のメーターが長年の使用で壊れており、満タンになってから「あ、八分目過ぎてた」と気づくことだ。「もうちょっと食べたいな」で箸を置く。その小さな名残惜しさが、未来の血液検査で効いてくる。
四、塩分・糖分・脂質のとりすぎを避ける
ラーメンのスープを飲み干す行為。あれは50歳を境に「男のロマン」から「腎臓への無理難題」に変わる。
スープは出汁の余韻を3口だけ味わい、あとは丼に「ありがとう」と告げて返却する。これが大人の作法である。
五、毎日続けられる食べ方にする
極端な糖質制限を始めた山本さん(55歳・仮名)は、2週間後、コンビニのおにぎりコーナーの前で動けなくなっているところを発見された。本人いわく「鮭おにぎりが光って見えた」。
極端な制限は、反動という名のリバウンドを連れてくる。続けられないルールは、ルールではなくただの修行である。
1週間でぐるぐる回したい食材たち
■ 1週間でぐるぐる回したい食材たち
1週間でぐるぐる回したい食材たち
毎日全部を完璧に、ではない。1週間の中で「回していく」イメージでいい。
- 魚:週に数回。サバ、サンマ、鮭、何でもいい
- 肉:脂身の多すぎないものを適量
- 卵:迷ったら卵。冷蔵庫の頼れる相棒
- 大豆製品:納豆、豆腐、豆乳。日本人の伝統的チート食材
- 野菜:濃い色も淡い色も。彩りは栄養のサイン
- 海藻・きのこ:不足しがちな食物繊維の補給部隊
- 乳製品:ヨーグルト、牛乳、チーズ
- 果物:食べすぎない範囲で
- 水分:こまめに。「のどが渇いた」はすでに遅れ気味のサイン
逆に、距離を置きたい面々
■ 逆に、距離を置きたい面々
逆に、距離を置きたい面々
- 菓子パン、スナック菓子
- 甘い飲み物
- 塩分の多いカップ麺、加工食品
- 揚げ物の食べすぎ
- アルコールの飲みすぎ
完全に絶つ必要はない。彼らとは「たまに会うと楽しい友人」くらいの距離感がちょうどいい。毎日会うと、互いに(主に体が)疲れる関係である。
迷ったときの「手のひら計量法」
■ 迷ったときの「手のひら計量法」
迷ったときの「手のひら計量法」
計量カップもカロリー計算アプリも要らない。あなたの両手があれば足りる。
- 手のひら1枚分のたんぱく質
- 両手1杯分の野菜
- こぶし1つ分の主食
毎食この形を意識するだけで、食事はかなり整う。人体とは便利なもので、計量器を標準装備して生まれてきているのだ。
まずはこの3つだけでOK
■ まずはこの3つだけでOK
まずはこの3つだけでOK
最初から完璧を目指すと、3日で挫折して4日目にドカ食いするのが人間である。だから、まずはこの3つだけ。
1. 毎朝たんぱく質を1品入れる(卵でも納豆でもヨーグルトでも)
2. 毎食野菜を1皿つける
3. 甘い飲み物を減らす
たったこれだけ。これなら続く。続けば、変わる。
おわりに
■ おわりに
おわりに
50歳からの食事は、我慢大会ではない。「これから先の自分」への仕送りである。
70歳になったあなたが、孫と旅行に行き、好きなものを自分の歯で食べ、ペットボトルのフタを涼しい顔で開ける。その未来への投資が、今日の食卓から始まっている。
さあ、まずは今夜、野菜をもう1皿。
カレーのじゃがいも以外で、ぜひ。
ボクの名前は「うけうり君」TVや先生から学んだ知識を、みんなに教えてあげるのだウリ♪