ニョニャ料理、ニョニャって何?
■ ニョニャ料理、ニョニャって何?
ニョニャ料理、ニョニャって何?
ニョニャとは、、、
15〜16世紀に中国大陸から中国人がビジネスチャンスを求めてマレーシアにたくさん移住してきました。女性は渡航が禁止されていたため、移住してきたのは男性のみ。その人達と、地元マレーシアの女性の間に生まれた子をプラナカンと呼びました。
プラナカンの男性をババ、女性をニョニャと呼びます。プラナカンの女性が作って受け継がれた料理がニョニャ料理と呼ばれるものです。
このニョニャ料理は主にマレーシアのペナン、マラッカ、そしてシンガポールで発展していきます。発展する中でまた少しずつその地方の特徴がでてきたようです。
ニョニャ料理は、もともとは家庭料理。プラナカンの人たちは商売で成功した富裕層だったため、ニョニャたちが花嫁修行として受け継いだもの。手間や費用度外視の、職人のように凝っていて、とても時間がかかる調理法だそうです。
ニョニャ料理はメニューや味のバラエティが豊富。
中国、マレーシアはもちろん、地理的に近いタイ、インドネシア、またインドの職人が持ち込んだインドのスパイス、統治されていたイギリス、ポルトガル、オランダなど、さまざまな国の要素をとりこんだ実に多国籍なものです。
味も、酸味、コク、香り、絡み、さわやかさ等をもつ、複雑なものです。
マレーシアには、文化的にマレー、中国、インドの料理がありますが、そこにニョニャ料理も合わせた4つがマレーシアを代表する料理です。
食器にも、こだわり
■ 食器にも、こだわり
食器にも、こだわり
また、それらを盛る食器も凝っています。
鮮やかなパステルカラーが特徴の食器は、ニョニャ・ウエアと呼ばれ、なんとその絵付けはひとつひとつ手描きだそう。現在でももちろん、その伝統が受け継がれています。
可愛らしい色合い、凝った図柄。それらが手描きで作られているので、一つとして同じものはないのです。
それだけに高価ですし、なかなかこの食器でニョニャ料理を出しているお店は少ないのではないかと思います。私もマラッカを訪れた際に行ったレストランでは出会えませんでした。
また、ガイドブックでは必ず紹介されているため、お土産ものとしてあちこちで売っているものだと思っていたら、全く売っているお店を見つけることはできませんでした。
もし、この食器を手に入れたい場合は、マラッカやペナンなどのプラナカン文化発祥の地で、アンティークショップなどを一軒ずつ回って探すという手間を惜しんではいけないようです。
代表的ニョニャ料理のご紹介
■ 代表的ニョニャ料理のご紹介
代表的ニョニャ料理のご紹介
パイティー
■ パイティー
パイティー
ワンタンの皮のような小麦粉の薄い皮がシルクハットをひっくり返したような形になっています。その中に具が入ってますが、主にはクズイモ、椎茸などを甘辛く炒めたもの。クズイモは生食もできる野菜ですが、パイティーの中身は切り干し大根の煮物によく似ています。そこに錦糸卵やエビが乗っているものもあります。
見た目もかわいらしく、サクサクした皮と優しい味の中身がとてもおいしい。前菜にぴったりのメニューです。
同じような中身をクレープの皮のようなもので巻いたポピアもあります。
ニョニャラクサ
■ ニョニャラクサ
ニョニャラクサ
ラクサと呼ばれる麺料理は、○○ラクサ、と呼ばれるご当地ラクサがいくつもあり、地方ごとに味付けが異なります。
ニョニャラクサは海老の出汁、ココナッツミルクが入った濃厚タイプ。スパイス、ハーブも入った複雑な味。麺は小麦粉のイエローミーが基本ですが、米粉麺など選ぶことができる店もあります。
オタオタ
■ オタオタ
オタオタ
魚のすり身にココナッツミルクや辛味を加えて、バナナリーフで包み、蒸したもの。炭火で焼くタイプのものもある。さつま揚げのような硬さはなく、ふわふわした口あたり。
アヤム・ブアクルア
■ アヤム・ブアクルア
アヤム・ブアクルア
チキンのスパイス煮込みに、マングローブの木の実、ブアクルアが入ったもの。ブアクルアはそのままでは毒があり、数日かけて毒抜きをして使う。木の実の中には、一度中身を取り出し、数種のスパイスと一緒にすりつぶしたものを再び入れます。そうして下準備をした実とチキンを煮込んだお料理。
食べる時は、実の中身をスプーンですくってチキンにつけながらいただく。独特の香りと風味でコクが増す。チョコレートや、ナッツ、トリュフの様と表現されていますが、実際いただいたところ、モロミのような旨味を感じる味でした。
ウダンナナス
■ ウダンナナス
ウダンナナス
ウダンはエビ、ナナスはパイナップル。これらをココナッツミルクとスパイスで煮込んだもの。スパイスの辛味、ココナッツミルクのマイルドさ、パイナップルの甘酸っぱさが相まってた味。ごはんにもよく合います。
ニョニャ料理のうち、一部ですが私が実際食べたことがあるものを中心にご紹介しました。
お料理の説明の通り、どれも手が混んでいるお料理で、味わいも複雑なのが特徴です。他にもたくさんのメニューがあるので、また挑戦してみたいと思います。
プラナカンのお茶文化
■ プラナカンのお茶文化
プラナカンのお茶文化
プラナカンにはアフタヌーンティーの文化もあります。そのお茶請けとしても発展してきたのがニョニャクエ。
特徴は、非常に鮮やかな色。そして豊富な種類があります。こちらも非常に凝っていて手の込んだお菓子です。
米粉・タピオカ粉・もち粉・もち米などを使っているので、もちもちした口あたり、ほのかな甘みが和菓子のようで、カラフルな見た目から想像するよりずっと上品なお味です。一方で、ココナッツやグラマラッカ(ココナッツの砂糖)なども使っているのでやはり南国っぽさもあります。
また一瞬びっくりするようなこの色も、天然の植物などから付けられているそうです。
不思議な食感・味、そして癖になる美味しさ。日本ではなかなか出会えないニョニャクエは、ぜひ皆さんに食べていただきたいお菓子です。
ニョニャ料理はどこで食べれるの?
■ ニョニャ料理はどこで食べれるの?
ニョニャ料理はどこで食べれるの?
マレーシアの中で、ニョニャ料理の本場といえば、マラッカ、ペナンです。こちらには地元なだけにたくさんのニョニャ料理店があります。
地元だけあり、さすがにおいしく、お値段も手頃なので、ぜひ訪れた際は本場ニョニャ料理を味わって欲しいところです。
そこまで足を伸ばす時間がない方には、もちろんKLでも食べることができます。
一般のマレー料理のお店には置いていないので、ニョニャ料理専門店を探してください。
いくつか名店もありますが、どこのモールでも入っていて一番手軽に食べれる場所としては、『ニョニャ・カラーズ』というお店をおすすめします。
こちらでは種類豊富なクエがいただけます。だたし、代表的なマレー料理はいただけますが、残念ながらニョニャ料理はメニューにありません。
2022年4月より、マレーシアに移住。食のプロが、マレーシアの食文化を中心に、リアルなマレーシアの魅力を御紹介していきます。