バクテーの発祥は?
■ バクテーの発祥は?
バクテーの発祥は?
骨肉茶はどこの国の料理でしょうか?
主にマレーシア、シンガポールで食べられている料理です。日本ではシンガポール料理として知られているかもしれませんが、マレーシア、シンガポール、どこが発祥の地か?は諸説あり、互いに譲れない問題らしいです。
マレーシアで発祥地と言われているのは、Klang(クラン)という街。首都クアラルンプールから電車で1時間ほどの貿易港のある所です。
バクテー大好きな私は、発祥地なら是非!!と期待に胸を膨らませ、早速訪れました。流石に地図を見るだけでもたくさんのバクテーやさんがあります。口コミなどを参考に数店に絞り、せっかくここまできたから、と2軒ハシゴしたのですが、特に2軒目に行ったお店がとってもおいしくて!さすが、バクテー発祥の街、と感激。ぜひ、また行きたいお店です。
マレーシアバクテーが出来たのは、マレーシアがまだ英国の植民地だった時代。中国からやってきた移民の多くが肉体労働者として、暮らしていました。
捨てられるような、肉が少し残った豚肉の骨や内臓を使い、にんにくや薬膳などを入れてスープにしてご飯と一緒に食べるように。手早くお腹が満たされ、栄養もとれたので、定着したのでしょうね。
本来、朝食として食べられていたので、今でもバクテーやさんは、午後2時くらいで営業が終わる店が多くあります。行かれる際は営業時間をチェックしてください。
バクテーとはどんな料理か?
■ バクテーとはどんな料理か?
バクテーとはどんな料理か?
豚肉を煮込んだスープなのですが、使う部位はさまざまです。日本でのイメージだとスペアリブを想像しますが、実はこの部位だけではなく、バラ肉、内臓、豚足などさまざま。
ただ、焼いただけで美味しい部位ではなく、よく煮込んでおいしくなるような、骨つきの物やホルモンなどを使っているようです。
そこにニンニクを多めに入れて煮込みます。
お肉の煮込みといっても、しっかり下処理されているのか、バラ肉でも、ぎとぎとと油っこくはなく、お肉もスープもあっさりといただけます。
スープの中に、肉だけが入っているお店と、他の具材も一緒に煮てあるお店があり、使われるのはえのき、レタスなどの野菜、豆腐、湯葉や油揚げなど。スープを薄めないように、水の出にくい材料を使っているということです。
食べる時には、お肉に卓上の真っ黒なソースにつけて。この真っ黒なソースの正体はケチャップマニス。特濃ソースくらいのとろみのある、甘めのもの。塩味はそれほど感じません。マレーシアでは調理にも使うポピュラーな調味料です。
さらに、小さめの唐辛子のみじん切りと、にんにくのみじん切りが一緒に出されたり、テーブルに置いてあったりして、そちらもお好みでお肉に乗せていただきます。唐辛子は小粒の激辛なタイプなので、注意です!笑
そしてスープはおかわり自由な店が多く、少なくなると継ぎ足してくれたり、頼むと持ってきてくれます。中には有料のお店もあるようなので、ご確認くださいね。白米も一緒に食べるのが一般的で、白米にスープをかけていただくのも、おすすめです。
バクテー 白・黒対決とは!?
■ バクテー 白・黒対決とは!?
バクテー 白・黒対決とは!?
さて、バクテーについてご紹介してきましたが、ここからバクテー 白vs黒 対決です!
白、黒とはずばり、シンガポールバクテーと、マレーシアバクテーのこと。
一目瞭然。出てきたお料理を見ると明らかにスープの色が違います。
もともとマレーシアとシンガポールの1つの国ですが、マレーシアバクテーとシンガポールバクテーの違いは明らかで、別の料理と言っても過言ではないほど。
マレーシアバクテーのルーツはお伝えしましたが、どうやらマレーシアは福建省風。
対してシンガポールは潮州系と、ルーツが異なるようです。
だとすると、シンガポールバクテーにも、発祥の地がありそうですね。
まず、私がなじみ深いマレーシアバクテー。スープの色が黒いのですが、温かいおそばのつゆくらいの色くらいです。理由の一つは、中国醤油を使っていること。中国醤油とは、少しとろみのある、甘口の醤油ですが、とにかく色は真っ黒。
日本の醤油は「むらさき」というくらい、透明感のある茶・赤・むらさきのような色ですが、中国醤油は本当に真っ黒で透明感はありません。見た目に反して塩気は強くないので、真っ黒でもしょっぱいわけではありませんが、とくかく料理を黒くします。
ですが、この「黒」という色が、マレーシア人にとって食欲を刺激する色、「おいしそう!」と感じる色だそうです。
さらに、スープには数種類のスパイスが入っています。こちらは漢方としての使い方で、主に八角・クローブ・胡椒など、店によって秘伝の配合がありそうですね。この香辛料もスープの色に影響するようです。
一方、シンガポール骨肉茶のスープは白。白濁しているのではなく、塩味の透明なスープという感じです。
こちらは八角などの味は一切なく、白胡椒を多め効かせて、ピリッと辛味があります。こちらの胡椒も薬膳として使っているのでしょう。スープも上品な塩味で、癖もなくとっても食べやすい。八角などの味、香りが苦手な人には、こちらの方がいいかもしれません。
このように、見た目、味には大きな差がありますが、入れている具材や、食べ方は共通しているものが多く、やはりバクテーというメニューなんだろうな、と思います。
私は断然、マレーシアバクテー派です!
お店によって味の違いはありますが、スープはいつまでも飲んでいられるほど滋味深く、体に染み入ります。見た目ほど塩味は強くなく、ほんのりと甘い。
初めにこの料理を知った時、お肉とにんにくのスープが朝ご飯!?なんとヘビーな!と思いましたが、実際はお肉も脂っぽさはしっかり抜けていて、骨つきのものでもほろりとはずれ、とても食べやすいのです。スープもあっさりしていて、それほど強くにんにく風味もないので、朝ご飯でも納得、一日の活力になりそうです。
実際は朝から食べたことはないですが。笑
また、体調が悪い時にも、ぴったり!
先日、旅行先で車酔いをしながら骨肉茶屋さんに着きましたが、スープを一口、二口飲むとすっかり元気になっていました。
実際、疲れ気味の時や、風邪の引き始めなどにはバクテー!という方もけっこう多いようですよ。
バクテーをお家でも気軽に!
■ バクテーをお家でも気軽に!
バクテーをお家でも気軽に!
日本では、なかなかバクテーを出してくれるお店も少ないと思います。でも、比較的簡単に、自分でも作ることが出来ます。
基本的には、水からお肉を入れ、にんにくを入れて煮込むだけ。ただし、ポイントになるのがやはり、香辛料。もちろん、自分で選ぶのは難易度が高いので「バクテースパイスセット」を使うのがおすすめ。日本でも、エスニック材料などを扱うお店で購入できます。
マレーシアのスーパーにも何種類もの骨肉茶スパイスセットが売っていますので、実際自宅で作る人も多いのだと思います。日本より種類も豊富で、値段もお安いので、マレーシアのお土産としてもおすすめです。
2022年4月より、マレーシアに移住。食のプロが、マレーシアの食文化を中心に、リアルなマレーシアの魅力を御紹介していきます。