MusikPlatzの音楽ひろば通信第1号【R.シュトラウス作曲「アルプス交響曲」】

MusikPlatzの音楽ひろば通信第1号【R.シュトラウス作曲「アルプス交響曲」】

第1回である今回ご紹介するのは…
ドイツの作曲家、リヒャルト・シュトラウス作曲の「アルプス交響曲」Op.64


まずさわりを聴いてみましょう。

なんて壮大なんでしょう!目を瞑って聴いてみると、山頂からの眺め、眼下に広がる雄大な自然が見えてくるようです。

では、今日はこの「アルプス交響曲」を紐解いてみましょう。

作品の特徴と魅力

作品の特徴と魅力

作品の特徴と魅力

「アルプス交響曲」は、作曲者のリヒャルト・シュトラウスが少年時代にアルプスに登った際の体験をもとに作曲されています。

アルプス登山の情景を描写した22ものタイトルが付けられていていて、夜明け前から日没までの壮大な自然の様子が音楽で表現されています。

「交響曲」という形式の作品は多くの場合、4つの楽章に分かれています。
ところがこの作品は、22のタイトル、50分もの演奏時間を要する大作であるにもかかわらず、楽章としては1つ、そして切れ目なく演奏されるのです。
これは、とても大きな特徴です。

そしてこの曲のもう一つの大きな特徴というのは、とにかく大編成のオーケストラのために書かれているということ、さらに使われている楽器が種類がとても多く、オーケストラではなかなか見ることのない珍しい楽器も多く使用されるということではないでしょうか。

作曲家自身が指揮をした1915年の初演では107名のオーケストラメンバー、それにオルガニストを加えての大所帯で行われました。

オーケストラの編成というのは曲によって異なりますが、広く知られているベートーヴェン作曲の「第九」が50-60人編成ですので、100人を超える規模の編成がいかに大所帯かというのは想像して頂けるのではないでしょうか。

50分以上にわたり絶えることなく押し寄せる音の波が、雄大な自然に包み込まれるような特別な音楽体験に導いてくれます。

リヒャルト・シュトラウスってどんな人

リヒャルト・シュトラウスってどんな人

リヒャルト・シュトラウスってどんな人

本名はリヒャルト・ゲオルク・シュトラウ。1864年、ドイツのミュンヘンで生まれました。父親はミュンヘン宮廷歌劇場の首席ホルン奏者で、幼い時から音楽家になるべく教育を受けて育ちました。

リヒャルト・シュトラウスというと、比較的「新しい音楽」という印象を受ける作品を残しているイメージがありますが、実は、とても保守的な音楽教育を受け、最初は保守的な作曲スタイルをとっていました。
実際に彼は、モーツァルトを崇拝していました。

彼が新しい音楽に興味を持ったのは、ある優れたヴァイオリニストと出会いがきっかけでした。そのヴァイオリニストとの出会いが、彼の音楽を革新的なものにしていきました。
そして出世作の交響詩『ドン・ファン』を書くことになります。半分の聴衆からは喝采を、そして半分からは野次を浴びましたが、シュトラウスは自分のスタイルを貫きました。

そのあと生まれた作品の中には、シュトラウスの死後に映画『2001年宇宙の旅』で使われ有名になった『ツァラトゥストラはかく語りき』もあります。

その後、代表作は管弦楽曲はもちろんオペラや歌曲にも及び、晩年まで精力的に作品を書き続けていました。

交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』Also sprach Zarathustra

この作品が生まれた時代

この作品が生まれた時代

この作品が生まれた時代

「アルプス交響曲」が初演されたのは1915年。
それはどんな時代だったのか、前後の音楽事情を見てみましょう。

・1910年 - マーラーの交響曲第8番(千人の交響曲)初演
・1913年 - ストラヴィンスキーのバレエ『春の祭典』初演
・1918年 - ホルストの『惑星』初演
・1919年 - 世界初の電子楽器、テルミンが発明される
・1920年 - 世界初のラジオ公共放送がアメリカKDKA局にて始まる
・1921年 - シェーンベルクが無調に規律と秩序を与えた十二音技法を創始
・1927年 - 世界初のトーキー映画といわれる『ジャズ・シンガー』公開
・1928年 - ラヴェルの『ボレロ』初演
・1929年 - RCAビクター、デッカ・レコード設立
・1931年 - 英コロムビアと英グラモフォン(HMV)が合併し、EMI設立。
・1932年 - 世界最初のエレクトリックギター発売
(Wikipediaより)

なんとなくイメージがつきますでしょうか?
この時代、音楽自身と音楽を取り巻く環境は、一気に私たちの今の生活に近づきはじました。

今すぐ「アルプス交響曲」

今すぐ「アルプス交響曲」

今すぐ「アルプス交響曲」


https://youtu.be/ltumZOfxpqM

この曲が献呈されたドレスデン国立歌劇場、その管弦楽団による演奏です。

指揮:ジュゼッペ・シノーポリ
管弦楽:シュターツカペレ・ドレスデン

生演奏で「アルプス交響曲」

生演奏で「アルプス交響曲」

生演奏で「アルプス交響曲」

近々、「アルプス交響曲」がプログラムに入っている演奏会のご紹介です。

沼尻竜典指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

横浜みなとみらいホール

https://yokohama-minatomiraihall.jp/concert/archive/recommend/2022/10/2408.html

沼尻竜典指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 | 公演情報 |

1年10か月の長期休館を経て、リニューアルオープンする横浜みなとみらいホール。
そのリニューアル記念事業として企画されています、神奈川フィルハーモニー管弦楽団による演奏会です。

いかがでしたか?
日本に居ながらにして、壮大なアルプスの自然を感じることができる「アルプス交響曲」。
是非、お家でも、コンサートホールでも聴いてみてくださいね。




この記事のライター

《音楽ひろば通信》では毎回1曲、またはひとつのテーマで、クラシック音楽の魅力・楽しみ方をご紹介します。

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