復活なるか?「江戸東京野菜」

復活なるか?「江戸東京野菜」

東京は農業がさかん!・・ではないことはなんとなくご存知ですよね。しかし、実は東京でも独自の品種が栽培されているんです。それを認定したものが「江戸東京野菜」。今回はそのストーリーの他、どこへ行けば食べられるのかもご紹介します!


「江戸東京野菜」って何?

「江戸東京野菜」とは、平たく言えば、江戸時代から昭和40年頃まで栽培されていた東京付近独自の野菜のことです。
2010年にJA東京中央会が承認し、復活・継承・普及に向けた活動が行われています。

1番有名なのが「練馬ダイコン」でしょう。
その他にも「コマツナ(後関晩生小松菜)」「内藤トウガラシ」「東京ウド」「奥多摩ワサビ」「アシタバ」などなど、およそ50種類が登録されています。

(※写真や絵つきの品目リストはこちらJA東京のサイトから見られます。↓)

江戸東京野菜は、江戸期から始まる東京の野菜文化を継承するとともに、種苗の大半が自給または、近隣の種苗商により確保されていた昭和中期(昭和40年頃)までのいわゆる在来種、または在来の栽培法等に由来する野菜のこと。

”固定種”と”F1種”

そして、「江戸東京野菜」の多くは”固定種”です。

・・固定種?と言われてもよくわかりませんね。
江戸東京・伝統野菜研究会代表の大竹道茂さんによると、”固定種”とは・・

「種を蒔き、出来た野菜を食べ、そこから種を採り、また来年蒔くというように種を通して命がつながってきた野菜です。」

・・なるほど。
ってアタリマエじゃないか〜い!って思わずツッコミを入れたくなるような回答なのですが、実はこれが「アタリマエ」じゃないんですよ。

現在、八百屋やスーパーに並ぶ野菜、加工品の原料として入っている作物のほぼすべてが、「F1種」と呼ばれる「種が採れない」(「採れたとしても、その種からはもう同じような品質の野菜はできない」)ように”改良”されたものなんです。
つまり、収穫したその次も同じ作物を作るために、毎回種を買わなければなりません。

その「F1種」が”悪い”のではなく、どう評価するのかはそれぞれの見方次第ですよ。
「F1種」は品質が揃いやすく、収穫量も安定し、大量流通するのにとても適しています。

ただ、作物が”命の循環”の中にはないので、ちょっと工業生産品っぽい感じがしてしまうのです・・。

なにはともあれ、「F1」が多く流通するのは便利な世の中が求めるものなのでいいとして、「固定種」(「在来種」ともいいます)の大切さについてはこちらの映画『よみがえりのレシピ』がもっとも綺麗に表現しています!

こちらカラーズの記事でも以前ご紹介した、テレビでも大活躍の奥田政行シェフがこの映画のメインキャストですよ。

奥田政行シェフの料理哲学から「本物の”ご馳走”」が見えてくる

http://colors-style.com/articles/265

日々何気なく使っている「ごちそうさま」というセリフ。この言葉に込められた本当の意味をまさに体現している料理人をご紹介します♪

東京ど真ん中のオアシス

ところで話変わりますが、あらためて「東京」についてどんなイメージをお持ちですか?

僕は世代ではないのですが、「あなたがいれば〜 あぁ、あなたがいれ〜ば〜」でおなじみの曲『東京砂漠』があるように、大半の人にとって大都会・東京はかなり緑が少ない印象ですよね。

とはいえ、高層ビルばかりの山手線沿線の地域でも、新宿御苑、明治神宮など緑豊かなスポットはあります。
そして、面積がそれぞれは広くはありませんが、お寺や神社も、木々に囲まれオアシスのような空気感を持つところが実はたくさんあるんですね。

『よみがえりのレシピ』、在来作物で味覚のレッスン

https://www.facebook.com/events/104240120256460/

種はいのちのゆりかご。その土地に根付いてつながっていく。

いきなり話題として東京のオアシスを持ち出してしまいましたが、要は先ほど紹介した映画『よみがえりのレシピ』を、そんなオアシススポットで鑑賞する機会があったんです!
(詳細情報は上のフェイスブックイベントページ参照)

お寺で映画・講演会

訪ねた場所は、新宿西口付近の常圓寺。

歌舞伎町の喧騒から徒歩たった数分で、驚くほど静かな空間がふっと現れます。

この写真は常圓寺の入り口にあった今回のイベントの看板。
「ロータスシネマ」という、NPO法人ロータスプロジェクトによる定例の映画上映会です。

常圓寺の境内の様子も写真に撮りましたので、こちらのホトカミ(神社仏閣に訪問したことを記録できるサイト)もご覧になってみてください♪

常圓寺(東京都新宿西口駅)の投稿 - ホトカミ - みんなでつくる日本最大の神社お寺の投稿サイト

https://hotokami.jp/area/tokyo/Hkrty/Hkrtytk/Dskzy/50870/1738/

NPOのロータスプロジェクトによる『よみがえりのレシピ』上映会にて訪れました。 喧騒の象徴みたいな場所からすぐなのに、静けさが突然現れるかのような感じですね。

映画の感想は・・ネタバレになるのであまり書きませんけど(苦笑)、作中に出てきた「作物も人間も互いに命を支え合っている。今の農業ではその側面が見えにくくなっている。」というセリフが強く印象に残りました。

上映の直後には、その内容を補足・発展させるような講演会もありました。
『よみがえりのレシピ』は山形県の庄内地方の在来種の話でしたが、「江戸東京野菜」は、その東京版とのことです。

左:ロータスプロジェクトの中山るりこさん
中:NPO法人江戸東京野菜コンシェルジュ協会理事の福島秀史さん
右:常圓寺執事長・ロータスプロジェクト理事長の及川一晋さん

どこへ行けば食べられる?

さて、以上「江戸東京野菜」についての紹介と、常円寺での映画『よみがえりのレシピ』鑑賞会の報告でしたが、「どこに行けば江戸東京野菜を食べられるのか」気になりませんか?

それは、新宿御苑の中にある「レストランゆりのき」です!
(施設利用時間は9:00~16:00ラストオーダー、定休日は新宿御苑休園日)

レストランゆりのき | 新宿御苑 | 一般財団法人国民公園協会

http://fng.or.jp/shinjuku/service/yurinoki.html

新宿御苑内にあるイギリス風景式庭園にあるレストランでは、120席の広々とした空間で、四季折々の風景を愛でながら、憩いのひとときをお楽しみいただけます。

他にも江戸東京野菜を扱うお店はあるはずですし、生産者とのつながりがあれば直接手に入れることもできるでしょうけど、”確実に”提供している飲食店、という意味ではこのお店くらい、希少な存在なのです。
また、”固定種”が多い江戸東京野菜は、”F1種”と違ってそもそも大量に生産して全国に流通させることが向いていないので、東京に住んでいる人が”地産地消”をするか、東京を訪れた人に対する”おもてなし”として位置付けています。

ちなみに、最初に登場した江戸東京野菜の1つで、このレストランゆりのきでよく使われている「内藤トウガラシ」の”内藤”は、新宿御苑のあたりのことを指しているんですよ。

最後に少し、この上映イベントと写真掲載の許可をくださった「NPO法人ロータスプロジェクト」のご紹介を。

3.11の震災を契機に「地域コミュニティ」の重要性をあらためて認識し、かつてその中心だった「お寺」の機能に注目して、様々な社会貢献活動を企画・実行している非営利組織(NPO)となります。
季刊誌『LO+』も発行していて、江戸東京・伝統野菜研究会代表の大竹道茂氏へのインタビュー記事はこちらのリンクから読めます。
http://edoyasai.sblo.jp/article/170632838.html

毎月イベントを開催しているので、ぜひHPもチェックしてみてくださいね!

この記事のライター

食べることが大好きで、農業や田舎暮らしに向けゆっくり準備中です。インスタグラムではカフェ巡り中心でときどき農業体験を投稿します。

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