カンボジアの恐ろしい「負の遺産」をご存知ですか?

カンボジアの恐ろしい「負の遺産」をご存知ですか?

今回は、バックパック旅行中のカンボジアの首都、プノンペンで訪れた歴史的な「負の遺産」についてのご紹介です。日本で言うところの原爆ドームのように、それぞれの国には素敵な建築物の世界遺産だけではなく、重い歴史を背負った負の遺産も存在します。


行く前に学びたい、カンボジア内戦

カンボジア内戦について、知っている方はそう多くはないと思います。

カンボジア人の現在の平均年齢は、なんと25歳。
街を歩いていても、若い人や子供が多く、お年寄りって全然いないんです。
なぜこんなに若い人ばかりかと言うと、
たった40年前の内戦で多くの大人が虐殺されてしまったからなんです。

世界遺産も多いカンボジアへの旅行者は増えていますが、
カンボジアを旅行する前に、歴史について学んで行かれることをおすすめします!


カンボジアでは第二次世界大戦後にシハヌークという国王の下でフランスから独立しました。
しかし、1970年、ベトナム戦争に巻き込まれる形で、
アメリカの支援する政権によってシハヌーク国王が追放されると内戦状態となっていきます。

ポル=ポトらに代表される共産勢力は軍事独裁とアメリカ帝国主義への服従を拒否して蜂起し、
1975年から79年まで権力を独占することになりますが、
それもベトナムの介入で倒れて内戦が再発し、
国連の介入によって1991年に一応の収束を迎えるまで、22年にわたって内戦が続きました。

この、ポル=ポトという人物こそ、内戦で大量虐殺を行った人物です。

ポル=ポトは中国の文化大革命の影響を強くうけ、全面的に共産化政策を展開していきます。
その政策は、「農業主体の極端な共同社会」を建設し、
通貨を廃止するなどの極端な「原始共産制」の実現を強行しようとするものでした。

つまり、彼はカンボジアを、原始時代のような世界にもどし、発展させようとしたのでした。
どうしてこんな極端な思想になったんでしょうか・・・。
これで国が成長するわけありませんよね。

さらに、ポル=ポトは、国民を絶対的な支配下におくために
反対派に対する弾圧など強圧的支配をとり続け、多くの犠牲者を出します。

ポル=ポト政権によって殺害されたのは主として「都市出身の知識人」でした。
頭が良いと、このはちゃめちゃな政策に反対運動を起こす人が増えるだろうと
自分でも恐れてたんでしょうね。

先生や医者、さらには、読み書きができたり、メガネをかけているだけの人さえ
次々と殺していくのです。

たった1975年から78年までの間で、犠牲者は約170万人と言われています。

カンボジアの人口の1/3が殺されたと言われています。
殺されたのは大人ばかりで、幼い少年達が洗脳され、少年兵として大人を次々と殺していたのです。

こんなことを続けていればもちろん国力は落ち、政権も疲弊していきます。

このカンボジアの内戦の様子は、実は外部に全く漏れることなく、
国内で粛々と行われていたのでした。

しかし、隣国ベトナムに脱出するカンボジア人が増え、
その悲惨な様子に気づいたベトナムが、カンボジアに進行して行きます。

そこで初めて国内で大量虐殺が行われていることが世界に知れ渡り、
ベトナムの介入のもとでポル=ポト政権は倒れ、国連の介入で収束を迎えます。

なんと人口800万人足らずのカンボジアで、
最終的には200万〜300万もの国民が殺されたと言われています。

これが、カンボジアのつい30年前の出来事なのです。

これから紹介する内戦跡地は二つあり、
首都プノンペンにあります。

都市部から少し離れているので、トゥクトゥクで向かいました〜

道路の整備が進んでいないので、砂埃がヒドイ、、。

虐殺跡地として残る「キリング・フィールド」

最初に紹介するのは「キリング・フィールド(Killing Field)」です。
日本語にすれば「虐殺の地」。

ここでは、約200万人もの国民が命を落としました。

慰霊塔です。
中に展示されているのものは何か・・・あとでわかります。

日本語のパンフレットも用意されていますし、
ヘッドフォンをつけて、日本語のガイドで説明を聞くことができます。

敷地内に色々な跡地や、展示場、墓などがあり、ガイドに沿って跡地を周ります。

今回は、その中のいくつかをご紹介します。

ここはお墓です。

下には大量の犠牲者が埋まっています。
その数なんと450人。

ベトナムの介入によって内戦が発覚した時には、
国中に白骨が落ちていたそうです。

ここキリングフィールドでも、大量の白骨遺体が並べられていたと言うことで、
発見した人はさぞおぞましい光景を見たことでしょう。

「450人の犠牲者のための、大勢の墓」
と書いてあります。

周りには祈りのためのミサンガがかけられています。

次は、キリングフィールドの象徴的な、この木です。

これは「キリング・ツリー(Killing Tree)」と呼ばれています。

看板を日本語にしてみると
「虐殺執行人が、子供達を打ち付けた虐殺の木」と書いてあります。

なんと、多くの幼児が母親の前で、
この木に打ち付けられて殺されたというのです。

カラフルなミサンガがかかっている今の様子からは想像もできません。

この木について音声ガイドの説明を聞いた時は、
気温30度以上を超えているはずなのに、背筋がゾッとし、寒気がしました。

同じ人間がすることと思えず、悲しくなりました。

最後にこちらです。

最初にあった慰霊塔ですが、
なんと中はここで発見された人々の大量の頭蓋骨で埋め尽くされています。
(中で撮った写真は掲載をひかえます。。。)

音声や、文面で内戦のことを学ぶだけでなく、
こうして「人」が確かにここに存在して、殺されたのだ
という事実を突きつけられ、実感し、なんとも言えない気持ちになりました。

たった30年前の出来事です。

キリングフィールドでは他にも、虐殺に使われた道具や、
当時殺された人々が身につけていた衣服なども展示してあります。

強制収容所跡「トゥール・スレン」

キリングフィールドを後にし、プノンペンの中心部の方に戻ります。
つづいて向かうのは、大量強制収容所の跡地である「トゥール・スレン」です。

S21は、クメール・ルージュ(ポルポト率いるカンボジア共産党の別名)
支配下のカンボジアにおいて設けられていた、政治犯収容所の暗号名です。

稼働中は存在そのものが秘密であったため、公式名称は無いらしく、
現在は地名を取って「トゥール・スレン」と呼ばれており、
国立の「トゥール・スレン虐殺犯罪博物館」となっています。

ここでは、たった2年9か月の間に14,000~20,000人の国民が収容されたと言われ、
そのうち生還できたのはたったの8人という、恐ろしい場所です。

こちらでも、日本語のパンフレット、
さらに日本語の音声ガイドのヘッドフォンの貸し出しがあります。

ガイドに沿って、収容所内を順番に見学していきます。

少しだけ中の紹介をします。

ここが収容されていた部屋です。

もう一度言いますが、殺されたのも、殺したのも、
みんな同じカンボジア人です。。

部屋には当時の写真や、拷問器具などがそのまま置かれ、
床には血の跡なども残ったままです。

収容された人々につけられていた「足枷」なども残されています。

ひとつひとつの部屋に入ることができます。
とても生々しく、悲しい気持ちになります。

展示場には、拷問器具などたくさん展示されていますが、
屋外にもあります。

これは、ここで首を釣らせて殺した場所です。

中庭は現在、綺麗に整備されています・・・。
当時はどんな様子だったのでしょう・・・・・。

博物館の周りは、このように鉄線が張り巡らされています。

外に逃げないためです。
現在もそのまま残されていますが、すぐ隣はもう街なので、不思議な感じがします。

カンボジア人たちが、このことについてどう思っているのか疑問になります。
ですが、この内戦のことはみんな話に出さないそうです。
子供の教科書にもでてくることはなく、
内戦の事実をしらない子供達も多いようです。

張り巡らされた鉄線。

今回は、残酷な負の遺産の紹介になりました。

どの国にも、良い歴史と忘れ去りたい、辛い歴史というものが存在します。

良いところだけをみる旅行だけではなく、
その国をまるごと知るための場所を訪れることで、
さらにその国を見る目や気づきの幅が広がると思います!


次回は、今度はカンボジアの良いところ☆
シェムリアップの世界遺産群について紹介します!

この記事のライター

Ayu

アジア大好きな大学院生

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