「食の向こうの農の世界」への入り口はこちら!

「食の向こうの農の世界」への入り口はこちら!

毎日欠かさず食べている「食べ物」は、それを作っている人がいます。例えば野菜や果物なら、農家さんですね。非農家から就農した若手農家さんのお話を聞いてきて、当たり前すぎて普段は忘れがちな大切なことに想いを馳せる時間となりました。


日ごろ、健康や食事に多少なりとも気を使っていらっしゃいますよね。
そして、そういう意識が高ければ、その「食」の向こうにある「農」の世界にも目が向くこともあるでしょう。

でも、都会に暮らしている場合、普段の生活ではなかなか農業と関わりずらいというのが正直なところ。
「農業現場」「農家の畑」を知ったり行ってみたりする機会は、どうやって持てばいいのでしょう?

「移住農家 × NINO FARM × 農業普及員」による農業トーク!

そんな農業の現場で働く方の声を聞いてみたい方にぴったりの機会が、2018年6月23日土曜日、東京でありました!

「食の向こう側の農の世界!~農家から学ぶそこんトコロ~」というそのイベント。
山梨県で就農した若手農家さん、「東京で農業をしてみた」がモットーのNINO FARMの代表、北海道の農業普及員の女性の3者で主催されたものです。

場所は中目黒駅から徒歩7分のレンタルスペース『Under the Tree nakameguro』

木製の内装で植物に囲まれた室内、人工芝の床に、テントのような布がかかった天井、中庭にはハンモックなど、くつろげる工夫がいっぱいの素敵な空間でした。

移住農家・菅沼祐介さん

この日の主役は山梨県甲府市の中道(なかみち)という地区に移住・就農した菅沼祐介さん。
東京農業大学を2015年に卒業して、非農家から就農した若手農家さんです。

菅沼さんは農業大学卒といっても、東京育ちの非農家のご家庭であり、お金・(栽培の)技術・(畑や住まいの)拠点など何もない状態です。
しかし、学生の頃に経験した雪かきボランティアをきっかけに、生き方としての農業に”ときめき”を感じ、その時のご縁を大切にして現場に飛び込みました。

就職活動を蹴ってまで(しかも内定も!)、移住して農業に就く決心ををしたのは、「作った分だけ稼げる”シンプルさ”と、自分のやりたいように工夫できる”やりがい”」が大きかったそうです。


「縁」により、個人農家さんのもとで研修を経て、山梨県の中道で拠点となる家を確保しました。

農地も、所有する(土地を買う)のはハードルが高くとも、借りるのであればとても低いコストでどんどんお話が舞い込んできたそうです。
(逆に今は畑が大きくなりすぎたのでセーブしているとか・・)

収入を安定させている主力の作物は、トウモロコシ、スモモ、ナスです。
お話の途中で、よ〜く熟れたスモモと、採れたてのトウモロコシ(生でも甘い!)の試食がありました。

有形の喜び、無形の喜び

トウモロコシ、スモモ、ナスはいずれもその地域でよく生産されており、ブランディング化もされていて売り先が確保されています。
栽培作物選びは自分のやりたいことだけにこだわるのではなく、しっかり地域に溶け込んで適応した柔軟さが伺えますね。

収穫して得たその野菜や果物は「有形の喜び」、それを食べた人が美味しいと喜び、その声を聞いたり姿を見て感じる喜びは「無形の喜び」と表現していたのが印象的でした。

農業現場のリアルな姿を語ってくれた菅沼さんですが、苦労話ではなく、朝早くても昼寝時間をたっぷり取り、ちゃんと週1、2の休みも確保し、農閑期には海外旅行も、・・・なんて都会の人が聞いたら羨ましくなるような暮らしぶりも伝えていただきました。

そして、農業現場の地域に自分のような若い人が少ないという問題意識から、「農(に関わる)人」「農と○○」の意味を込めて「株式会社のうと」を立ち上げ、農村関係人口を増やす活動にも取り組んでいます。

今も不定期で、農業体験イベントを企画して募集中です!
(菅沼さんにコンタクトする場合はこちらまで↓)
https://m.facebook.com/profile.php?id=100006562112121

農業女子 × 日本の農業を考える人

参加者同士の感想のシェアや、質疑応答などもあった他、今回のイベントの共同企画者のお二人からもお話がありました。

左が北海道で農業指導員をしている西村華純さん、右がNINO FARM代表の二宮聖也さんです。

西村さんは北海道のご実家が農家でありながら、ご両親自身が農家を継がせることに消極的。そんな状況で「女性が農業の現場で働きながらキャリアアップもできる仕事」を模索し、今の仕事に取り組んでいます。
関東にいた頃は、「食と農」に関わる若手社会人ネットワークGOBO( http://gobonetwork.net )の事務局をしていました。

二宮さんは農水省にお勤めになり、都会に暮らす一般の方と、農業の現場の接点があまりないことを感じとります。
それでも、実は”物理的な距離”はほぼ無く、あるのは”心のハードル”と”無関心のカベ”であることに気づき、「日本(NI)の農業(NO)を考える NINO FARM」の活動を始めました。
(詳しくは下記のリンク先をご参照ください

NINO FARM ー東京で農業してみたー

https://www.facebook.com/NINOFARM.TOKYO/

NINO FARM ー東京で農業してみたー. 299 likes. NINO FARMとは、NI(日本の) NO(農業)について考えるFarmです。東京で農作業に携わりながら、食と農へのオーナーシップをみんなが持つための共育の場を提供する、みんなの農園です。

「農業に関わる」ということ

お三方のお話から共通点のようなものを感じたのは、「農(業)への関わり方は人それぞれ」だということ。

地域に飛び込んで就農する人もいれば、そうでない人ももちろんいるし、現場を見て感じることも、その人それぞれの視点があります。
特に、都会の人が農に触れる方法は、ベランダ菜園や部屋での水耕栽培、農家さんとの関係を作るなど千差万別です。

それが農業の(守備範囲が広すぎて)難しいところでもあり、良いところでもあるんですね。

イベントの本編は以上になります!

このあと、一部の希望者がNINO FARMの活動の一部で、都会の人の農業の関わり方のひとつ、恵比寿ガーデンの「ソラドファーム恵比寿」にお邪魔しました。
(※下記のリンクの本にも掲載されています)

テレビ番組『ヒルナンデス!』にも、その活動が取り上げられたことがあるんですよ!
・・・しかしお天気はあいにく本降りの雨・・・。
文章も長くなってきましたので、こちらの紹介は別の機会に譲りますね。

この記事のライター

夫婦でスローライフを徐々に実践中。インスタグラムではカフェや神社仏閣巡りの他に旅行や農関連を投稿してます。

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